産業革命
産業革命のとき、工場が機械化しました。
工場が機械化すると、商品がより早く作れるようになります。
例えば、一日10枚の服を作るのがノルマだとします。
手作業だと、かなり時間がかかります。
しかし、機械化すれば、今までよりも早くノルマを達成できます。

機械があれば今までより早くノルマが達成できるわけです。
早くノルマが達成できるということは、早く帰れる、ということなんじゃないか?
そのように期待した人もいたかもしれません。
しかし、そうではないのです。
機械を使い始めた後も
労働者の労働時間は短くなりません。

早く商品が作れるからといって早く帰らせてもらえるわけではありません。
余った時間は会社の利益のために働くのです。

機械化すると、今までよりも早く商品が作れます。
すると、資本家は、ノルマを増やしてしまいます。

今までより多くのノルマを用意されると
労働者は「それって搾取じゃない?」と感じてしまいます。
給料の分は働かないといけないけど…
労働者は、給料の分は働かないといけません。
しかし、現実世界では、「労働者は給料以上に働いている」と、マルクスは指摘しました。
そこでマルクスは「給料の分の労働」と「搾取の労働」にそれぞれ名前をつけることにしました。

必要労働と剰余労働の違い
労働者は、給料の分業を働かないといけません。
給料の分の労働は、「必要労働」と言います
一方で、搾取される分を「剰余労働」と言います。
| 必要労働 | 剰余労働 |
| 「自分の給料のぶん」を作る時間 | 「会社が儲けるぶん」を作る時間 |
必要労働は、労働者が働くべきものです。
しかし、剰余労働は、資本家の搾取とも呼べる労働です。

機械化
機械化すると、必要労働が短くなります。
なぜなら、今までよりも早く商品が作れるからです。
短時間でノルマを達成してしまうのです。
つまり「必要労働が短くなる」ということです。
しかし、ノルマを達成しても、労働時間は変わりません。
剰余労働が長くなるからです。
必要労働時間が減れば、剰余労働時間が増えます。
これが、相対的剰余価値です。

相対的剰余価値は「機械化や効率化によって、同じ時間でたくさん作れるようにすること」です。
相対的剰余価値は、会社がもうかる時間を増やす方法です。
相対的剰余価値
・はたらく時間はおなじ
・でも、はやく仕事ができるようにして
・会社のもうけの時間をふやすこと
これが「相対的剰余価値」です。
相対的剰余価値
→「同じ時間で、もっとはやく作れるようにする」
会社「機械などを使って効率よく作って」
生活費が安くなると、給料も安くなる
労働者は、生活費の分を給料として受け取ります。
人が生きていくには
・食べ物
・服
・家
・交通
…などのお金が必要です。
これが「生活費」です。
企業が支払う給料は、基本的に「労働者が生活できる最低限+少し」になることが多いです。
そのため、生活費が下がれば、給料も下がりやすくなります。
機械化すれば、いろんな商品の価格が下がります。

つまり、生活費が安くて済むようになります。
機械化するということは、つまり、給料が減るということです。
機械化 → 商品が安くなる→ 生活費が安くなる → 給料が安くなる
という流れが起きることがあります。
労働者が搾取される理由
機械化には2つの面があります。
・会社のもうけをふやす(相対的剰余価値)
・労働者の生活費を下げることで、給料も下がりやすくする
そのため
機械化=労働者の給料が下がりやすくなる仕組み
なのです。

