それぞれの商品には、「この商品を作るには、通常これくらいの労力がかかる」という平均があります。
これを「社会的平均労働」といいます。
社会的平均労働
仕事をする時、仕事が早い人もいれば、遅い人もいます。
例えば、服を作るとします。
Aさんは、60分で作れる
Bさんは、50分で作れる
Cさんは、40分で作れる
そして、3人の平均を出します。
平均は、50分です。
この「平均の時間」が「社会的平均労働」です。

社会的平均労働とは、そのものを作るのに、みんなが普通にかける時間のことです。
仕事が早い人もいるし、遅い人もいるので「平均」で考えましょう、ということです。

ちょっと、話が逸れますが
ちょっと、話が逸れますが
あれ、これって、なんだか、当たり前の話を難しく言ってるだけでは・・?と私は、感じました。
仕事が早い人もいるし、遅い人もいる。
だから、平均で考えましょう。
ということです。
なんでマルクスは、わざわざこんな説明をしたのでしょうか。
それは、まず前提として「時間がかかるものは価値が高い」という考え方があるからです。

例えば、簡単なTシャツを作るのは簡単なので、Tシャツは安いです。
しかし、複雑なコートを作るのは、時間がかかるので、コートは値段が高くなります。
時間がかかるものは、価値が高いのです。
それなら…と、ある人は考えました。
“仕事が遅い人が、時間をかけて商品を作ると、商品の値段が高くなるのでしょうか?”

のんびり働いたら、商品の値段が高くなるのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
それを整理整頓するために、「社会的平均労働」という言葉が必要だったのです。
ものの価値は、それを作った人の労力で決まります。
その基準は、みんなの平均で決めます。
みんながその商品を作って、平均的にかかる時間のことを「社会的平均労働」といいます。
より、難しい仕事ほど、価値は大きいのです。
マルクスの主張
それでは次に、マルクスが「社会的平均労働」という言葉を使って伝えたかったことに注目していきます。
マルクスの考え方では、ものの価値は、「社会的平均労働」で決まります。
労働者は、その価値を生み出します。
しかし、給料は、「生きていくのに必要な分」しか払われません。
労働者が生み出した価値の一部は、資本家の利益になります。
「これは、搾取だ」と、マルクスは考えました。
搾取は、資本家から見れば「利益」です。
労働者を搾取しているから、利益が生まれるのです。
ものは等価交換
そもそも、ものは、等価交換されます。
同じ価値のものを交換するということです。
同じ価値のものを交換しているなら、だれも得も損もしません。
例えば、
100円のものを
100円で売る
このとき、何も増えていません。
100円を払ったら100円の価値のものを買えます。
等価交換をするだけなら、儲けることができないはずなのです。
それでは、なぜ、利益が生まれるのでしょうか?

100円のものを100円で売っても利益はでません。
ものを売買するだけでは、儲けることはできないのです。
では、どのように儲けを出せばいいのでしょうか?
それは、ハッキリ言ってしまうと、労働者を「搾取」することで儲けを出すのです。
たくさん働かせて、少ない給料を渡すことで、資本家は儲けているのです。

労働者が受け取るのは、生活費の分です。
しかし、働くと、それ以上の価値を生みます。
給料に相当する分だけ働くのではなく、1日中働きます。
過労死するギリギリまで働きます。
その結果、社会的平均で見て給料分より、多くの価値を生み出します。
これが利益であり、搾取と呼ばれる部分なのです。

利益が生まれる理由
ものの売買は、等価交換です。
それと同時に、労働力の交換も等価交換です。
どちらも、社会的平均労働に基づく公平な取引です。
しかし、労働力は、買った値段以上の価値を生み出します。
だから、労働力は、特別なのです。

社会的平均労働は、価値を決める共通の基準です。
その基準で、商品の値段も、給料も決まります。
でも、労働力は、基準以上の価値を生み出せます。
だから、等価交換でも利益が生まれるのです。
搾取
しかし、当時の世界では、あまりに労働者をボロボロになるまで使う人が多くいました。
そのため、マルクスは「労働者が搾取されている」と声を上げました。


