社会的使用価値とは、「そのものが、みんなの生活の中でどれだけ役に立っているか」という意味です。

使用価値
使用価値とは、使うメリットがあるものということです。
例えば、お弁当の使用価値は
- 食べるとおなかがいっぱいになる
- 栄養がある
- おいしくて、食べると楽しい

使用価値がないもの
一方で、使うメリットのないものは、使用価値がありません。
例えば、腐ったリンゴは使用価値がありません。
他にも、壊れたおもちゃ、動かない時計、インクの出ないペン、などは使用価値がありません。
つまり、ゴミ箱の中に入っているような役に立たないものは、使用価値がありません。

ここまでは「使用価値」の話でした。
社会的使用価値
次に「社会的使用価値」についてです。
社会的使用価値とは、「他人が」欲しがったり、交換したがったりするということです。
商品を売るためには、その商品に、社会的使用価値が必要なのです。

商品として売れるものは、社会的使用価値があります。
商品として売れないものには、社会的使用価値がありません。

社会的使用価値がないもの
使用価値はあるけど、商品じゃないものも世の中には、あります。

お母さんの手作り弁当も充分おいしくて、使用価値があります。
しかし、それを他人が欲しがらない場合は、社会的使用価値がないのです。
社会的使用価値がないものは、商品にはならないのです。
他にも、社会的使用価値がないものがあります。
例えば、自分で使うものは、社会的使用価値はありません。

自給自足をする人は、使用価値を作りますが、商品を作らないのです。
また、自然のままの空気や樹木なども、商品にはなりません。

商品は、他の商品(お金)と交換されることによって、初めて商品となるわけです。
商品とは
商品とは、自分にとって便利であるだけでなく、他人にとって便利であるものです。
つまり、社会的使用価値があるものです。
これは、言い換えれば、「売れるものが商品」ということです。
マルクスは、商品は、交換することで、結果的に生じるものだと考えます。
つまり、商品は売れる瞬間しか商品じゃないということです。
例えば、自分で食べるためにお米を栽培したら、それは商品ではありません。
しかし、豊作で米が余ったら、他人に売ります。
他人に売ると、ここで初めて商品が誕生するのです。

まとめ
役に立たないものは、使用価値がありません。
役に立つものは、使用価値があります。
商品として売れないものには、社会的使用価値はありません。
商品として売れるものに、社会的使用価値があります。


