ビジネスに必要なもの
ビジネスには、「働く人」と「生産手段」が必要です。
ビジネスに必要なものは、この2つだけです。

生産手段とは
生産手段とは、物をつくるために必要なもののことです。
例えば、「原料」や「工場・機械」、「トラック」などです。

「生産手段の私有」とは
「生産手段の私有」とは、モノをつくるための道具や施設を個人が持っていることです。

「国が持ってる」のではなくて「個人が持っている」ということに、注目していきます。
不平等の原因
不平等の原因は、生産手段を持ってる人と持ってない人がいるからだと、マルクスは考えました。

労働者は工場を自分で持てないので、お金をもらうために働くしかないわけです。
資本主義のデメリット
マルクスは、資本主義のデメリットを主張しました。
それは、苦しむのは労働者なのに
資本家は、ラクして大金持ちになることができる点です。

労働者が頑張っても、儲かるのは資本家ばかりです。
これをマルクスは搾取(さくしゅ) と呼びました。
搾取が起きる原因は、生産手段を持つ側が、ルールを決められるからです。
持っていない側(労働者)は弱い立場になります。

マルクスが許せないものは、労働者が搾取されていることです。
頑張って働いてる人ばかりが苦しい思いをしています。
その一方で、工場のトップの人は、ラクしてお金を稼いでいます。

奴隷より酷い生活をする労働者
1942年のマンチェスターの労働者の平均死亡年齢は17歳でした。
それほど、身体がボロボロになるまで、働かせれていたのです。
これは、奴隷より酷い生活だったそうです。


自由な労働者は、奴隷のように縄で縛られていません。
自分の意志で労働力を販売しています。
だから、労働者の賃金が低いのは、その労働者のスキルが低いからです。
なので、買い手には、何も責任はありません。
ただの民間人である資本家は、赤の他人の生活を心配する義務はないのです。
このような理論で、労働者は過酷な労働をさせられていました。
解決策
このような残念な社会になってしまった理由は、何でしょうか?
マルクスは、「生産手段が私有されているせいだ」と考えました。
生産手段を持ってる人は、他人を搾取します。
一方で、生産手段を持ってない人は、他人に搾取されます。
生産手段を一部の人が持っているため、持つ者と持たざる者の格差が生まれているのです。
結局、生産手段を個人が所有してしまうと、それを「持つ人」と「持たない人」が生まれます。
そして、持ってない人は、我慢をして生きていくことになります。
実際に働いてるのは労働者なのに、労働者が貧しくなるというわけです。
そして、ごく一部の資本家だけが豊かになるのです。
資本主義は、豊かな人間よりも貧しい人間を多く生み出してしまう仕組みがあるのです。
この問題の解決策は、生産手段を私有させないことです。

生産手段をみんなで共有したらいい!
つまり「工場や土地は、みんなのもの」という考え方です。
生産手段を持たなくなった資本家は、労働者を搾取しなくなります。
そのため、資本家と労働者の格差がなくなります。
マルクスは、「生産手段の私有はよくない」と主張しました。
生産手段を私有する人がいるから、搾取が生まれてしまいます。
そのため、生産手段は、社会化すべきだとマルクスは、考えました。
社会化とは、みんなでシェアするということです。
社会主義、共産主義
マルクスは、共産主義を作ろうとしました。
しかし、その過程で、社会主義が必要だと考えました。
社会主義は、生産手段を国が持つ仕組みです。
共産主義は、生産手段をみんなで持つ仕組みです。

みんなで、生産手段をシェアして、計画経済を行えば、国民は平等になり、労働者は救われると、マルクスは考えました。
3つの「主義」
「資本主義」「社会主義」「共産主義」は、それぞれ、生産手段について、考え方が違います。
- 資本主義は、生産手段を「個人」が所有すべきだと考えています。
- 社会主義は、生産手段を「国」が所有すべきだと考えています。
- 共産主義は、生産手段を「国民みんなでシェア」すべきだと考えています。みんなでシェアすることを「社会化」といいます。


