公共事業は、いつでも上手くいくわけではありません。
上手くいかない時もあります。
上手くいかない例の1つは、クラウディングアウトです。
国債
公共事業には、お金が必要です。
基本的には、公共事業のお金は、税金が使われます。
税金とは、国民から集めるお金です。
しかし、景気が悪い時に、国民的から税金をたくさん集めると、国民が大変な思いをします。
そのため、税金以外の方法で、お金を集めようとします。
それが、国債です。
お金が足りない時は、国債を発行します。
国債で集めたお金を使って、公共事業を行うのです。
国債とは、銀行からお金を借りるために発行する紙です。
政府は、国債を発行して、銀行からお金を借ります。
ケインズは、国債を発行して、一時的に国が借金をしてでも、政府支出をするべきだと考えました。
しかし、フリードマンは、反論しました。
その理由は、クラウディングアウトがあるからです。
クラウディングアウト
国債を発行して、政府支出を行っても、景気はなかなかよくなりません。
その理由は、政府支出をすると、設備投資が減るからです。

銀行の仕事
銀行は、政府にお金を貸したり、国民にお金を貸したりしています。

政府が国債を発行すると、銀行は政府にたくさんお金を貸すことになります。
すると、国民に貸せるお金の量は減ります。

銀行には、無限にお金があるわけではありません。
政府がたくさんお金を借りると、銀行のお金が減ります。
そして、国民が借りれるお金が減ってしまいます。
政府と、国民は、銀行のお金を奪い合う関係にあるわけです。
政府が銀行から、たくさんのお金を借りると、国民が銀行からお金を借りづらくなってしまいます。
そのため、設備投資が増えず、景気が良くならないのです。

クラウディングアウトとは、政府支出が増えると、民間投資が減る現象です。
銀行のお金は、ある程度決まった量があります。
そのため、政府がたくさん銀行からお金を借りてしまうと、国民は銀行からお金を借りれなくなってしまうのです。
GDP
景気を決めるのは、GDPです。
GDPの内容は、4つです。
①個人消費支出
②設備投資
③輸出入
④政府支出
この合計がGDPとなります。
ケインズは、景気が悪い時は、④を増やすことで、景気を良くしようと考えました。
しかし、④を増やすほどに、②が減ってしまいます。
④を増やしても、②が減れば、トータルで見た時に、意味がないのです。