オランダ病とは?イラストで分かりやすく解説

経済学入門
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通常は、資源があれば、国が豊かになります。

しかし、資源があるのに、国が豊かにならない場合もあります。

それは、オランダ病と呼ばれる状態です。

なぜ、資源があるのに豊かにならないのでしょうか?

見ていきます。

オランダ病

1960年代、オランダの北海海底で天然ガスが発見され、オランダの輸出が拡大しました。

資源が見つかった時、オランダは、資源を海外に輸出しました。

資源を海外に売ったため、オランダにたくさんの外貨が入ってきました。

これで、大金持ちになりました。

しかし、受け取ったのは、外貨(例えば、ドル)です。

外貨を、オランダの通貨(つまり、オランダのお金)に両替しなければいけません。

この時、オランダの通貨が人気になりました。

みんなが「オランダの通貨がほしい」という状態になりました。

そして、オランダのお金に交換したい人がたくさん現れました。

これは、オランダの通貨に交換するために、外貨を売ってオランダの通貨を買うことになります。

しかし、通貨は、人気になると、高騰します。

オランダの通貨が高騰すると、輸出産業にとっては不利な状況になります。

そのため、オランダの産業が衰退してしまったのです。

オランダの産業が衰退した理由

通貨が高騰すると、海外の輸入品は安く買えるようになります。

しかし、オランダで作ったものを海外で売るときは、不利になります。

資源(天然ガスなど)の輸出でたくさんの外貨が入ると、

オランダの通貨(当時のギルダー)の価値が上がります。

これは、外国の人にとって、オランダの商品が高く見えるようになります。

輸入品が安く買えるようになるのですが、一方で自分の国の製品は外国で高くなります。

すると、自分の国の商品が売れなくて、産業が衰退してしまうのです。

通貨が高騰することで、自分の国の製品が外国で高くなる理由

外国人から見たオランダの商品について考えていきます。

例え話です。

オランダのチーズ1キロが10ドルだったとします。

しかし、オランダの通貨が高騰したことで、チーズ1キロが20ドルになってしまいました。

  • 昔:チーズ1kgが10ギルダー、1ギルダー=1ドル → チーズ1kg=10ドル
  • 今:チーズ1kgが10ギルダー、1ギルダー=2ドル → チーズ1kg=20ドル

海外の人からみると、「同じチーズが前より2倍も高い」というようなことが起きてしまいます。

こうなると、「オランダのチーズは買わなくていいや」「他の国のチーズを買おう」という気持ちになってしまうのです。

つまり、通貨が高騰したせいで、オランダの産業が衰退してしまったというのが、オランダ病です。

資源があるのに豊かにならなかったのは、オランダの通貨が高騰したからです。

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