交換価値は、社会的平均労働によって決まります。
それぞれの言葉の意味について、詳しく見ていきます。
前提
マルクスいわく、簡単に作れるものは、安くて
作るのに時間がかかるものは、高いです。
使用価値と交換価値
商品には、使用価値と交換価値があります。
使用価値とは、お客さんが感じるメリットです。
交換価値とは、どれだけ労働がかかっているかです。
商品の値段が決まるのは、交換をする時です。
商品の値段が決まる時は、交換価値の大きさが基準になります。
なぜなら、全ての商品に共通するのは「労力がかかっている」ということだからです。
どれだけの労働が費やされたかで、商品の価値が決定します。
つまり、「どれだけ労力をかけてつくったか」で値段が決まるということです。
会社で働いていれば、「お客様へのメリットを考えろ」と言われることもあるかもしれません。
しかし、「お客様のメリットを考えれば、商品の値段が上がる」というわけではないのです。
なぜなら、商品の値段は、お客さんがメリットを感じるかどうか(使用価値)ではなく、どれだけ労力を使ったか(交換価値)によってからです。
交換価値
労力がかかっていれば、値段が高いです。
手間がかかっていれば、価値が大きくなるのです。
反論
では、要領がいい人が作った商品より、要領が悪い人が作った商品の方が、価値が大きいのでしょうか?
それでは、わざとゆっくり商品を作れば、その商品の価値が大きくなるのでしょうか?
マルクスは、そうではないと言います。
商品をつくり上げるのにかかる手間や必要な労働量は個人個人で違います。
ですが、商品の価値はそのような個別の事情によって決まるのではなく、
その商品の価値は「その社会で平均的に考えて、必要な手間の量、時間の量」で決まるのです。
社会的平均労働
社会的平均労働とは、労働者ひとりの平均的な労働の量のことです。
マルクスは、商品の価値の大きさは「社会一般的にかかる平均的な労力」で決まるとしていました。
平均的な労働の量で、交換価値が決まるのです。
結論
そのため、わざと効率を悪くして、労力をかけても「価値が高い商品」を作ることはできません。
あくまでも社会平均で考えられるのです。