なぜ、流動性の罠にはまると利子率が下がらないのか?簡単に解説

ケインズ

資産

資産とは、貨幣と債券を合わせたものです。

私は、貨幣のことを「現金」と呼ぶとイメージが湧きやすいと思ったので、現金と呼びます。

流動性のワナ

流動性のワナというのが何かというと、資産をどれくらいお金で持っていたいのか?ということです。

利子率が高い時は、貨幣需要は、低くなっています。

債券の利子率が高い時は、債券を持ってると、お金が増えます。

だから、みんな現金を手放して、債券を買います。

現金より債券の方が持っていて、トクだからです。

「現金を持ちたい」という気持ちは、少なくなります。

この状態を、「貨幣需要が低い」といいます。

次に、債券の利子率が低い時は、貨幣需要が高くなります。

債券の利子率が低い時は、債券を持っていても、儲かりません。

人々は債券を買いません。

つまり、資産を現金で持っていたいということです。

この状態を「貨幣需要が高い」と言います。

次に、流動性のワナについてです。

利子率の「下限」とは、みんなが「これ以上は利子率は下がらないだろう」と想像するほど低い数字のことです。

利子率が下限まで下がると、貨幣需要がめちゃめちゃ高い状態になります。

これを「貨幣需要が無限大に大きくなる」と言います。

誰も債券を買わなくなるのです。

それでは、なんで債券を買わなくなるのでしょうか?

投機

投機とは、転売することです。

「安く買って、高く売ること」を投機といいます。

転売のために債券を買う人たちのことを「投機的動機で債券を買う」と言います。

投機的動機で債券を買う人たちは、債券が安い時に買って、高い時に売ります。

債券

それでは、債券とはなんでしょうか?

債券とは、「持ってるだけでお金をもらえる」ものです。

分かりやすいように、この記事では、債券を「お金のなる木」で喩えてみます。

債券を持っていると「利息」というお金をもらうことができます。

債券を持っていると「利息」をもらえます。

利息の大きさのことを「利子率」と言います。

利子率が高い時に、政府から債券を買うと、利息がたくさんもらえます。

政府から債券を買うなら、利子率が高い時に買うべきです。

債券市場

みんな、債券を自由に売ったり買ったりしています。

その売買には、国は関与しません。みんなが自由に互いに売買します。

債券の価格は、上がったり、下がったりします。

債券を投機として買っている人は、債券を安く買って高く売りたいのです。

価格の決まり方

それでは、債券は、どのようにして、価格が決まるのでしょうか?

それは、利子率によって決まります。

利子率が高い時は、債券価格は下がり、

利子率が低い時は、債券価格が上がります。

 
利子率と債券の価格は、逆向きに動きます。

利子率が下がると

利子率がほぼゼロまで下がると、どうなるでしょうか?

利子率が、1番低くなると、債券価格は、「1番高い」状況になります。

債券の価格が高くなると、人々は、債券を買いたがりません。

債券を買う人がいなくなります。

人は、債券の価格が高い時には、債券を買いません。

なぜなら、安く買いたいからです。

債券が売れなくなる

債券が売れなくなると、債券価格が変わらなくなります。

つまりこれは、利子率は変わらなくなるということなのです。

これが、流動性の罠です。

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