政府は無駄なものを作りがち
フリードマンが公共事業に、反対した理由の1つは、政府は無駄なものを作りがちだからです。
公共事業とは、将来のために何かを作るということです。
必要じゃないものを作れば、無駄になります。
反論
反論として、民間企業も無駄なものを作る、という意見があります。
フリードマンも、その点については、同意しています。
政府が無駄なものを作る可能性もありますし、民間の企業が無駄なものを作る可能性もあります。

どちらも「将来のために作るもの」であり、需要がなければ余るからです。
政府の方が無駄なものを作りがち
しかし、フリードマンは、政府の方が無駄なものを作りがちであると考えています。
なぜなら、民間投資 は、利益を追求するため、本当に必要なものに投資するからです。
民間企業は、当事者が考えて「使われるもの」「売れるもの」に投資します。
一方で、公共事業は、「〇〇がほしい」と言ってる当事者の声を拾いあげて行われるのではなくて、「〇〇があったら便利だろう」という政府の当てずっぽうな判断で行われます。
また、政府は「人気になるため」や「予算消化」のために不要なものを作ることもあります。
そのため、公共事業は、無駄なものを作りがちなると、フリードマンは考えます。

誰のお金を誰のために使うのか
誰のお金を | 誰のために使うか |
自分の金を自分のために使う(民間投資) | 効率がよくて、責任感もある |
自分の金を他人のために使う | 非効率 |
他人の金を自分のために使う | 責任感がない |
他人の金を他人のために使う(公共事業) | 非効率で、責任感がない |
公共事業とは、「他人の金(税金)を他人のために使う」ケースです。
効率も、責任感も、欠けやすいと、フリードマンは考えます。
なぜ公共事業をするのか
なぜ公共事業をするのかというと、雇用を増やすためです。
公共事業も、民間投資も、どちらも「将来の利益」を見込んで、いま資金を投じるということです。
需要がなければ「余ったもの」になり、無駄になります。
今、社会全体として需要が不足しているとき、政府が公共事業を通じて「雇用を生み出す」ことができるかどうかが、注目すべき論点です。
つまり、「将来の負担」かどうかではなく「今、社会にとって必要な雇用や需要を生み出せるか」がポイントです。

フリードマンいわく、大事なのは「今、雇用を生み出すために何をするか」の視点なのです。