剰余価値
剰余価値とは、資本家からすると儲けです。
しかし、労働者からすると、「搾取された分」です。
搾取というのは、「自分ががんばって作ったお金の一部を、会社に取られている状態」です。
剰余価値は、労働者が給料をもらえない分の労働です。

働くことをマラソンで例えるなら、より遠くまで走ってもらうことで、資本家が儲けることができます。
一方で、長く走らされた分、労働者は疲れてしまいます。
もう既にゴールしてるのに、さらに走らされる分が、剰余価値となります。

絶対的剰余価値には2つのパターンがあります。
「絶対的剰余価値」と「相対的剰余価値」です。
この記事では、「絶対的剰余価値」を紹介します。
絶対的剰余価値
絶対的剰余価値とは、給料はそのままで、多めに働いてもらうことを言います。
給料はあまり変えずに、働く時間を増やすのが、絶対的剰余価値です。

労働者は元々
・1日8時間働いて
・その一部だけ給料でもらっています
しかし会社が
「もっと働いてください」
「残業してください」
と時間を伸ばしたとします。
給料はほとんどそのままです。
長く働くけれど、もらえるお金はほとんど増えない。
この時、増えた会社のもうけの部分が、絶対的剰余価値です。
なぜ労働者の給料は増えない?
労働者は、たくさん働いているのに、給料が増えないのです。
なぜ、ゴールより長く走っているのに、給料が増えないのでしょうか?
その理由は、労働者は、生活費の分だけ給料をもらうからです。
生活費とは、「次の日も仕事をするために必要な食べ物などの生活品を買うためのお金」ということです。
給料以上の働き
労働者は、1日にこういう流れで働きます。
1. まずは自分の賃金の分の価値を作る
2. それが終わっても、まだ働き続けて会社のための価値を作る
最初の4時間→ 自分の賃金の分だけ働く=「必要労働」
残りの4時間→ 会社のもうけになる価値を作る=「剰余労働」
給料は「必要労働」にしか支払われません。
それ以降に生み出した分は、労働者には返ってこず会社のもうけになるのです。

ワガママな資本家は、労働者を長時間、働かせます。
労働者を長時間働かせれば、剰余価値が増えます。
この剰余労働を増やすことで得た利益を「絶対的剰余価値」といいます。
絶対的剰余価値には2つのパターンがあります。

働く時間を長くする
1つ目のパターンは、労働時間を延長することで、利益を増やす方法です。
残業をさせるけど、残業代は出さないということです。
働くスピードを速くする
2つ目のパターンは、労働者にもっと集中してもらって、スピードを速くするやり方です。
働くスピードを速くすることを「労働の強度をあげる」と言います。
または、「労働の生産性を高める」といいます。
労働者にとって負担が増えるのが、絶対的剰余価値です。

