ケインズは、国民がみんなお金持ちになったら、景気が良くなると考えていました。
しかし、フリードマンは、反論しました。
なぜ、みんながお金持ちになっても、景気は良くならないのでしょうか?
詳しく見ていきます。
みんなをお金持ちに
みんなをお金持ちにする方法は、みんながお金を持つようにすることです。
そのために、世の中(国内)のお金の量を増やして、お金でジャブジャブ溢れさせればいいと、考えられていました。

フリードマンの意見
しかし、フリードマンはこのやり方に反対しました。

なぜなら、お金の量が増えても、物価が上がるだけで購買力は上がらないからです。
これを貨幣数量説といいます。

例えば、パン屋さんでパンが100円で売っていたとします。
そして、国のお金が2倍に増えたとします。
みんなの給料も2倍になって、いつもより2倍のパンが買えるようになります。
するとパン屋は「パンが高くても売れるぞ」と気づいて、パンの値段を2倍にします。
結局、買えるパンの数は変わりません。

みんなが同時にお金持ちになっても、国民の購買力は変わりません。
インフレになるだけなのです。
国内のお金を増やす
みんなをお金持ちにさせるためには、国内のお金を増やすと言う方法があります。
国のお金が増えればれみんなの給料が増えて、みんながお金持ちになります。
しかし、購買力が変わらないので、生活は豊かになりません。

国のお金の量が2倍になると、給料も2倍になりますが、商品の価格も2倍になります。
国のお金が増えても、買い物できる量は変わりません。
生活を豊かにするためには、給料の金額ではなく、購買力が大切なのです。

貨幣数量説とは、お金がたくさんあればインフレになる、お金が少なければデフレになる、という考え方です。
たとえ話
これは、お風呂の水でたとえられます。
お風呂に水を入れると、水位は上がります。
お風呂の水を減らすと、水位は下がります。
物価もこれと同じです。
水=お金
水位=物価
お風呂=国

国にお金を入れると、物価が上がります。
国のお金を減らすと、物価が下がります。

適量が一番
国のお金の量は、適量がいいです。
多すぎてもダメですが、少なすぎてもダメです。
「適量にしよう」というのが貨幣数量説のフリードマンの意見です。