政策金利という言葉の中に、公定歩合とコールレートがあります。
何が違うのか、見ていきます。

昔は公定歩合、今はコールレート
公定歩合は1990年代半ばまで、よく使われていました。
しかし、今はコールレートが、よく使われるようになりました。
それぞれの言葉の意味を見ていきます。
公定歩合とコールレート
銀行には、お金があります。
しかし「お金が足りない」という日もあります。
お金を借りる人が多かったり、お金を預ける人が少なかったりするからです。
そんな時は、銀行はお金を借ります。
「誰から借りるか」で、名前が変わります。
日本銀行から借りるときの金利を、公定歩合と言います。
銀行から借りるときの金利を、コールレートと言います。

利子
お金を借りて返すときは、増やして返すのがルールです。
その増える分のことを「利子」と言います。
公定歩合もコールレートも金利の名前です。
お金を借りたら、利子を払わないといけません。
銀行から日本銀行に払われる利子が「公定歩合」です。
銀行から銀行に払われる利子が「コールレート」です。

金融政策
金融政策とは、景気を良くするために、日本銀行が頑張ることです。

昔、行われていた3つの金融政策
大学生レベルの経済学では、昔、行われていた3つの金融政策を紹介されることが多いです。
・公定歩合操作
・公開市場操作
・預金準備率操作

しかし、現在はこの3つのやり方ではなくなってきています。
まず、預金準備率操作は、日本では何十年も行われていません。
また、公定歩合も、今は重要じゃありません。また、2006年に正式名称が「基準割引率および基準貸付利率」になりました。
公定歩合操作(公定歩合を操作)
公定歩合を操作するのが、公定歩合操作です。
銀行が日本銀行からお金を借りて返す時の利子を、公定歩合といいます。

これを○%にする、と決めるのが、公定歩合操作です。
公開市場操作(コールレートを誘導)
コールレートを誘導するのが、公開市場操作です。
公開市場操作とは、簡単に言うと、日本銀行と、銀行が「お金と国債を交換すること」です。
お金と国債を交換したら、結果的に、銀行のお金の量が変化します。

このように、銀行が持ってるお金の量を調節することができます。
これが公開市場操作です。
こうすることで、
あちこちの銀行でお金が溢れかえってる状況を作ることができます。
こうなると「お金を借りたい銀行」が減ります。
「お金を貸したい銀行」が増えます。

争うように、「低い金利でも貸します」と言うようになるので
金利が下がっていきます。
このようにして、コールレートは自然と下がるのです。
日本銀行は、このようにして、コールレートを誘導しています。
操作と誘導の違い
ここからは少し細かい話になるので、読みたい人だけ読んでください。
経済学に詳しい人にとって、「操作」と「誘導」は似てるようで別物なので、紹介します。
公定歩合操作は、金利を操作することができます。
例えば、金利を2%にしたいと政府の人が考えれば、きっちり2%にすることができます。

公定歩合の金利は、日本銀行が決めているので、操作することができます。
一方で、コールレートの場合は、操作はできません。
コールレートの金利は、それぞれの銀行が決めているので、日本銀行は、その数字を誘導することしかできません。
例えば、2%にしたいと思っていても、だいたい2%にすることはできますが、2%ピッタリになるわけではありません。
公開市場操作 → コールレートを直接変える
ではなく、
公開市場操作 → 市場のお金の量を変える → コールレートが変化する
という流れです。
操作とは
ちなみに、操作というのは
「操作」は思った通りに動かしたり、調整したりすることです。
例えば、ラジコンのコントローラーで車を動かすのも「操作」です。

公開市場操作の「操作」も同じ考え方です。
日本銀行は、お金の量をちょうどよくしたいと考えています。
お金の量を操作しているのです。

公開市場操作を一言でいうと、「お金の量の調節」です。
その方法として、国債を売買しています。
さいごに
現在の金融政策は、公開市場操作がメインです。
現在は、銀行は
- 他の銀行から借りる(コール市場)
- それでも足りなければ日銀から借りる
という順番でお金を集めるようになっています。

