戦隊モノの世界観を使って、「金融政策」と「財政政策」の違いや役割を説明するストーリーを作ってみました。
人物紹介
不景気

不景気のときは、モノが売れません。
モノが売れないと会社が儲かりません。
会社が儲からないと、そこで働いている人は、給料(もらえるお金)を少なくされてしまいます。
給料が減ると、節約する必要が出てきて、人々はモノを買わなくなってしまいます。
そして、モノが売れなくなるという悪循環が始まってしまいます。

財政政策

財政政策は、不景気を改善するために行われます。
やり方は2つで、「公共事業」と「減税」です。
公共事業は、失業者に仕事を与えるために行われます。
そして、減税は、より買い物しやすくするために行われます。
ここまでは、物語の登場人物の説明でした。
この記事は、第4話から始まります。
第1話〜第3話は、↓こちらの記事で紹介しています。
それでは第4話を見ていきます。




普通は、不景気を改善するには、金融政策だけで大丈夫です。
しかし、金融政策だけでは、不景気を改善できない時もあります。
そんな時は、財政政策をします。
金融政策と財政政策の違い
金融政策と財政政策の違いの一つは、「誰が」やるかという点です。
金融政策は、日本銀行がします。
一方で、財政政策は、政府が行います。

金融政策と財政政策の違いの2つ目は、「どこからお金をだしているか」です。
金融政策は、日本銀行からお金を出しています。
一方で、財政政策は、税金からお金を出しています。





公共事業
公共事業とは、橋や水道など、「国民のみんなが使うものを作ること」です。
公共事業は、みんなの税金を集めて、みんなのために、橋や水道を作ります。
橋や水道を作るということは、そこで「働いてくれる人」が必要です。
だから、仕事が生み出されます。

公共事業をするのは、人々にお金を稼いでもらうためです。
公共事業をすることで、会社が儲かるようにサポートするのです。


失業者とは、仕事がない人のことで、労働者とは、仕事がある人のことです。
失業者は、貧しいので、ほとんど買い物をしません。
一方で、労働者は、給料をもらっていて、お金を持っているので、買い物をします。
誰かが買い物をしてくれるおかげで、お店も儲かるので、失業者に仕事を与えることは景気をよくするチカラがあります。

財政政策とは、政府が税金を使って、仕事を作り出すことです。
「仕事がない人に、仕事を与えること」を「仕事を作り出す」といいます。
そして、公共事業をすると、景気が良くなります。


公共事業をすると、失業者が減るので、景気が良くなるのです。
減税
次に、減税についてです。
減税とは、税金を減らすことです。

「税金」とは、「国民が政府に渡しているお金」です。
税金が高いと、商品の値段は高くなります。
そして、税金が低いと、商品の値段は低くなります。
つまり、「減税」とは、「商品を安くすること」です。
減税をすることで、商品が安くなるので、買い物しやすくなるのです。

減税するのは、国民にもっとお金を使ってもらうためです。
買い物をする人を増やすことで、景気を良くするのです。
財政政策の弱点
財政政策には、弱点があります。
財政政策の弱点は、使えるお金には、限りがあるという点です。

財政政策は、税金を国民からもらった税金を使って、公共事業をします。
しかし、税金が足りないときもあります。

税金を使いすぎてしまうと、赤字になります。
赤字とは、「入ってくるお金」より、「出ていくお金」の方が多いことです。

財政に入ってくる税金より、財政から出ていく税金の方が多くなることを赤字と言います。
公共事業や減税は、財政を赤字に近づけてしまうのです。
これが財政政策の弱点です。
しかし、心配は必要ありません。
なぜなら、景気が良くなれば赤字は解決するからです。
なので、思い切って財政を赤字にして、景気を良くして、その後に財政の赤字を解決すれば大丈夫、ということです。


景気が過熱した時
ちなみに、景気が過熱した時は、財政政策は何をするのでしょうか?
景気が過熱した時は、公共事業をやめて、減税をやめます。
また、増税をすることもあります。
そうすることで、人々の給料を減らし、買い物に必要なお金を増やせるので、景気を冷ますことができます。
公開市場操作
次に、公開市場操作についてです。



日本銀行が、銀行のお金を「増やしたり」「減らしたり」することを、公開市場操作といいます。
公開市場操作をすると、銀行のお金の量を調整することができます。

日本銀行は、銀行のお金を「増やしたり」「減らしたり」します。
その時、お金と国債を交換します。

日本銀行は、銀行に国債をあげたり、もらったりします。
その時に「お金と交換」しているので、国債を「売買する」という言い方をします。

不景気の時
不景気の時は、金融政策はお金を放出します。
このため、お金がたくさん必要です。
そのため、日本銀行は、銀行から、国債を買います。
つまり、日本銀行が国債をもらって、銀行にお金を渡します。
景気が過熱した時
逆に、景気が過熱した時は、日本銀行は、日本銀行の持ってる国債を売ります。
国債を売ることで、銀行のお金を減らします。
つまり、日本銀行が現金をもらって、銀行に国債を渡します。
最後に

不景気を倒すには、2つのやり方しかありません。
一つが金融政策です。つまり、日本銀行がお金を放出することです。
もう一つは政府が財政政策です。つまり、公共事業や減税をすることです。