金本位制の始まり
金融政策が生まれたきっかけは、金本位制がなくなったからでした。
昔、金本位制というルールがありました。
これは、金(キン)がお金と交換できるというルールです。
「金(キン) ◯グラムは、◯円です」のように金(キン)の重さが基準で、お金の単位もそれで決まっていました。
金本位制の頃は、お金に価値があるのは、金(キン)と交換できるからでした。

金本位制の頃は、国にある金(キン)の量だけしかお金を刷ることができませんでした。
そのため、もし、お金をもっとたくさん刷りたいのであれば、南の国の山へ行って、金を掘り起こす必要がありました。
そのようなやり方をしていたのは、第一次世界大戦ごろまでです。

世界大戦が起きたとき、それぞれの国はもっとお金が欲しいと考えました。
しかし、金(キン)を増やさないと、お金を刷ることができません。
戦争の時は、お金がたくさん必要なので、金本位制のルールが邪魔になったのです。

また、ヨーロッパ各国がアメリカから武器を買う時に、金(キン)がアメリカに流出してしまいました。
アメリカには金(キン)が集まりましたが、ヨーロッパの方は、金(キン)がどんどん減ってしまいました。
例えば、イギリスは、アメリカから武器を買っていました。

イギリスをはじめとするヨーロッパの国々は、自分の国の金が減ってしまったため、金本位制を維持できなくなりました。
こうして、各国は金本位制をやめました。
しかし、金本位制をやめると新しい問題が発生します。
お金の価値が不安定になったのです。

昔は、金(キン)とお金が交換できたから、お金に価値がありました。
しかし、金本位制がなくなると、お金の価値が不安定になります。
そのため、お金の価値を調整する役割として、金融政策というものが行われるようになりました。
お金をむやみに発行するのではなく、不安定にならないように調整することが金融政策の役割になりました。
このような通貨の制度を、「管理通貨制度」といいます。

フリードマンの意見
フリードマンは、管理通貨制度には、メリットもデメリットもあると考えています。
まず、メリットについてです。
経済が成長している時は、お金を刷らないとデフレになります。

だから、経済成長に合わせて、お金を刷れるようになったのは良いことだと考えました。
一方で、デメリットもあります。
それは、経済が成長してないのにお金を刷ってしまうと、インフレになることです。

このように中央銀行がお金を刷りすぎてしまうという危険性があります。
管理通貨制度になってからは、お金を自由に刷れるのでデフレになる危険性が下がりましたが、インフレになりやすくなったわけです。
また、その運命は中央銀行が握ることになります。
管理通貨制度は、中央銀行に権力が集まりやすいのです。

フリードマンはこれは良くない制度であると、批判しています。
そのため、中央銀行の裁量権を減らすようなルールを作ろうとフリードマンは提案しました。