国の運営にはお金が必要
国を運営するためには、お金が必要です。
橋や水道を作ったり、公務員にお金を払ったり、社会保障に使ったりするためです。
このようなお金は、国民から集めた税金を使います。

しかし、お金が足りない時は、国債を発行します。
国債

国債とは「お金を借りたよ」ということが書かれた紙です。
お金を使うのは今の世代で、お金を払うのは未来の世代です。
国債で借りたお金は、未来の国民の税金を使って、返済されます。

国債が増えれば、苦しむのは、未来の国民です。
2種類の国債
国債は、2種類あります。
認められている国債と、認められてない国債です。
認められている国債とは、建設国債です。
これは、橋や水道を作るために発行される国債のことです。
一方で、認められてない国債というものがあります。
これは、赤字国債と呼ばれていて、本当は発行しないことになってるものです。
具体的には、社会保障など、使ったあとに何も残らないものに使う国債です。
未来の人からしたら、「えっ、借金だけ残ってるの?しかも何に使ったか分からないし…」って、気持ちになってしまうのが赤字国債です。

建設国債
建設国債は、橋や水道を作るために発行されます。
これは子どもたちにも残るものだから、借金をしてもいい(国債を発行してもいい)と考えられています。
建設国債のために借りたお金は、何十年もかけて、国民から集める税金で少しずつ返していきます。

橋や水道などを建設するならば、借金も残りますが、水道も残ります。
そのため「未来の世代は怒らないだろう」と考えられています。

建設国債は、発行してもOKです。
一方で、赤字国債は、本当は発行してはいけないことになっています。
赤字国債で集めたお金は、たとえばお年寄りの医療や、失業した人を助けるために使われたりします。
もちろんそれは、大事なことです。
しかし、橋や建物のように「形として残るもの」ではないので、未来の人にとっては「何に使われたのか」が見えにくいのです。
それに、未来の人にとっては、メリットがありません。
赤字国債
赤字国債は、本当は、発行が禁止されています。
しかし、最近は建設国債だけではお金が足りません。
そこで、例外的に、赤字国債が発行されるようになっています。
赤字国債とは、公共事業以外にお金を使うために発行する国債のことです。

赤字国債を発行する理由は、税金が足りないからです。
国民から集めた税金だけでは、お金が少なすぎて、国を運営することができません。
そのため、特例法である特例公債法というのを毎年のように作って、今年限りの特例ということで、国債を発行してます。
本当はダメなんだけど、「今だけの特別ルールだよ」ってことにして、毎年のように赤字国債を出してるということです。

赤字国債は、お金を使ったら、それっきりになります。
未来の人には、何のメリットもなく、借金だけを残すことになります。
そのため、本来なら、赤字国債は発行してはいけないことになっています。
しかし、実際には、これを発行しないと予算も組めないという状況になっています。
まとめ
- 国債には「建設国債」と「赤字国債」の2つがある
- 建設国債は、未来に残るものに使うからOK
- 赤字国債は、未来に何も残らないのに借金だけが残るから、本当はNG
- しかし、今は、国にお金が足りないから、特別に赤字国債も出してる