ケインズは、投資と投機は違うと言います。
正しいお金の使い方は、投資です。
間違ってるお金の使い方が、投機です。
ケインズは「投機は美人コンテストみたいなものだ」と揶揄しました。
これの意味を解説します。
投資
ここでいう投資とは、株を買うことです。
投資と投機の違いは、自分の頭で考えて、会社を選んでいるかどうかです。
大切なことは、その会社の経営状態を見て、今後も良い業績を出すかどうかを判断基準に株を選ぶことです。

その会社に実力があるかどうかを基準に株を売買するのが、本来のあるべき姿です。
投機
投機とは、周りの意見に流されながら、株を買うことです。
会社の実力を見ないで、人気かどうかだけを見てる状態です。

これは、運任せのギャンブルみたいなものです。
会社の経営状態も見ないで「みんなに人気な会社」を当てているだけです。
周りの意見に流されやすい人たちが「この株が人気らしいから、この株を買おう」ということで、深く考えずに株の売買をしています。
「みんなが買ってるから」という理由だけで株を買う人が増えると、大変なことになります。
実力のない会社が人気になってしまうこともあるからです。
バブル期に羽目を外してお金を使いまくれば、バブルが弾けたタイミングで、一気に貧乏になります。
実際、投機が盛り上がりすぎた1930年に、景気が悪化し、大恐慌が訪れました。
美女コンテストとの類似性
美女コンテストは、自分が美人だと思う人を選ぶのではなくて、みんなに人気が出そうな人を選びます。
株式市場もそうなってしまっているとケインズは言います。
他の人が買おうとしてる銘柄を、いち早く買い込んだ人が儲かるのです。
投機と、美女コンテストが似てる理由は、「みんなに人気が出るだろうから」という理由で選んでいる点です。
その会社(または人)に、どんな魅力があるかをしっかり見ていません。
投機家が多すぎると、バブルになるので危険だとケインズは言います。
周りの意見に流されて、自分で考えずに決めている投機家たちを見て、ケインズは「美人コンテストみたいだ」と喩えました。
株式投資では景気は良くならない
教科書の理屈では、株式投資が増えれば、景気が良くなると、信じられています。
しかし、現実では、無意味な株価価格に右往左往して、振り回されるだけです。
そのため、みんなに株式投資をしてもらって景気を良くするというのは、現実ではできないとケインズは考えました。
そのため、別の方法で景気を良くしようと主張しています。
ちなみにこの記事で「投資」と呼んでいるものは、「株式投資」のことです。
「設備投資」のことではありません。