有効需要の原理は「お金がなければ、欲しいものは買えない」ということを説明する時に使われます。
なぜケインズは有効需要の原理について述べたのでしょうか?
詳しくみていきます。
当時の状況
ケインズが生きてた時代のアメリカは、みんな貧しくて「パンを買いたい」という需要がありました。
しかし、お金がないので「欲しい」という需要があっても、実際にパンを「買う」ことができる人がほとんどいませんでした。
そこでケインズは「需要があっても、お金がないなら、商品を買えない」と言いました。

有効需要を増やすべき
ケインズは「有効需要を増やすべきだ」と考えました。
「欲しい」という気持ちがあるだけではダメです。
お客さんがお金を持っていないと、お店の商品は売れません。
だから、国民がお金を持っているべきなのです。

有効需要の原理で伝えたいことは、「国民がお金を持っていることが大事」ということです。
需要と有効需要
ケインズは、「欲しい」という気持ちは、2種類あると考えました。
「需要」と「有効需要」です。
需要は、「欲しい」という状態です。しかし、その人がお金を持ってるかどうかは分かりません。
有効需要とは、「欲しい」という気持ちと、「お金」がある状態です。
「欲しい」という気持ちだけがあっても、お金がなければ買えないので、意味がありません。
そのため、必要なのは、有効需要であると、ケインズは考えました。

景気を良くするために
景気を良くするために必要なものは、有効需要です。
例えば、お店で作られているケーキは、お金を持ってる人のためだけに作られます。
お金を持ってない人のために、ケーキは作られません。

ケーキを作る人は、有効需要の分しか、ケーキを作りません。
なぜなら、お金を持ってない人に、ケーキを売れないからです。
言い換えると、有効需要の分しか生産を行わないということです。
つまり、企業は、売れる分しか作らないのです。

景気を良くするためには、企業がたくさん生産して、商品を売っていく必要があります。
ただし、企業は、売れる分しか作りません。
なので、国民がお金を持っていることが大切なのです。
国民がお金を持っているべき
ケインズは、国民がお金を持っているべきだと主張しました。
手段はこだわっていませんが、例として総需要拡大政策を挙げています。