頑張っても賃金が増えないのは、なぜでしょうか?
その答えは、その利益が資本家のものになるからだ、とマルクスは考えました。

「資本主義の中では、努力しても、搾取されてしまう」とマルクスは言いました。
労働者が搾取されてしまう理由は、労働だけが可変資本だからです。
労働だけが可変資本
「不変資本」と「可変資本」という言葉があります。
「不変」とは、価値が変わらないということです。
「可変」とは、価値が変わるということです。

モノは搾取できませんが、労働者は搾取できます。
例えば、労働者が怠けたら、生み出す価値は少なくなります。
しかし、労働者をキビキビ働かせたら、労働者が生み出す価値が大きくなります。
労働力は、働き方によって、価値の大きさが変わるのです。

労働だけが可変資本です。
そのため、ビジネスとして利益を出す方法は、労働者を搾取することだけなのです。

搾取しないと利益が出ない
資本主義では、搾取しないと利益が出ません。
そのため、資本家は…
• 賃金を低くしたい
• 労働時間を長くしたい
• 休憩を短くしたい
• 生産性をもっと上げたい
と考えるようになります。
利益を追う資本主義は、どうしても労働者を苦しい状況に追いやりやすいです。

剰余労働
賃金以上の労働(タダ働き)のことを剰余労働と言います。

剰余労働は、資本家から見たら利益です。
剰余価値は、労働者が賃金以上に働いてくれる時間のことです。
その分の価値は全部、資本家のものになります。
しかし、労働者から見ると搾取です。
自分が生み出した価値を取られているので、搾取されていることと同じです。
拡大再生産
拡大再生産とは、工場が「もっとたくさん」ものを作れるようになることです。
お金が儲かれば、資本家は、もっと工場を大きくすることができます。
そして、人を雇ったり、原材料を買ったりして、もっと生産します。
このサイクルが拡大再生産です。

増えたお金を使えば、もっとビジネスを大きくすることができます。
つまり、格差はどんどん広がってしまうのです。

