はじめに
会社は、労働者に給料をあげます。
その金額は、労働者が安定した生活を送れる金額でなければなりません。
なぜなら、明日も働けるように、食べたり、安全なところで寝たりすることが必要だからです。
そのため、会社は労働者に、生活費の分の賃金を払う必要があります。

労働者の生活費を払うことで、労働者は、エネルギーを補給することができて、明日も働くことができます。
そのため、労働者に、毎日働いてもらうためには、生活費をきちんと払っている必要があるのです。
本題
それでは、本題の「必要労働」と「剰余労働」の違いについて、見ていきます。
まず、必要労働からです。
必要労働とは「給料のぶん、働く時間」のことです。

労働者は、働く代わりに賃金をもらいます。
この賃金は、必要労働で生み出した価値と同じ金額です。
次に、剰余労働について見ていきます。
剰余労働
剰余労働とは、賃金をもらわない分の労働のことです。
言い換えると、労働者が必要労働時間を超えて行う労働のことです。

理想としては、賃金をもらう分だけ働くべきです。
しかし、現実世界では、労働者は、賃金以上の働きをしています。

賃金は同じなのに、労働量を増やされているのです。
剰余労働は、「搾取」する分です。
この搾取が、資本家の利益になります。
剰余労働が多いほど、労働者は苦しいですが、資本家は嬉しいです。

| 必要労働 | 剰余労働 |
| 自分のお給料の分をつくる時間 | 残りの、会社の儲けになる時間 |
マルクスが考えた搾取
マルクスは、剰余労働をさせることは「搾取である」と考えました。
給料をもらわない分まで働くなんて、労働者からすれば、「損」です。
労働者が働いたのに、利益を受け取るのは資本家、というのは、ズルいのです。

しかし、搾取をしなければ、資本家は、儲けがありません。
搾取がある世界では、労働者はハッピーではありませんが
搾取がない世界では、資本家がハッピーではありません。
資本家と労働者が、お互いにハッピーになることは、不可能なのです。

マルクスは、この資本主義には、根本的に、誰かが不幸になる仕組みがある、と考えました。

