国債の市中消化の原則がなぜ作られたのか?インフレの何が危険なのか?戦後の日本のしくじりをイラストで解説

国債
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国債とは

国債とは、「お金をかりましたよ」ということは書かれた紙です。

国債は、お金を交換できます。

国債を発行して、お金を借りることで、政府はお金を手に入れています。

無限にお金が手に入る?

日本は、日本銀行というところで、お金を刷っています。

つまり、日本銀行には、無限にお金があるわけです。

政府が国債を発行して、日本銀行からお金を借りればいい、と思ったことはありませんか?

それなら、政府は、無限にお金が手に入るわけです。

日本銀行には、「無限に」お金があるので

日本銀行から借金をすれば、永遠に、無限に、政府はお金を手に入れるという理屈も成り立ちます。

永遠に、日本銀行からお金をもらい続ける

こんなことができたら、最高ですよね。

政府は、「無限に」お金を使い続けることができるわけです。

しかし、これを、戦後の日本がやってしまって、大変な事態になってしまいました。

そのため、今では、日本銀行から、政府がお金を借りることは禁止されています。

禁止されている理由は、インフレになってしまうからです。

「インフレ」とは、モノの値段がどんどん高くなってしまうことです。

一部の人気商品が値上がりするのではなくて、世の中のほとんどすべての商品の値段がどんどん高くなるという状態です。

なぜインフレになるのか

では、なぜ、日本銀行から直接お金を借りると、インフレになってしまうのでしょうか?

それは、お金の量だけが、ガムシャラに増えてしまうからです。

日本銀行からお金を借りた政府が、そのお金を使うと、世の中にお金があふれます。

しかし、世の中にある商品の数は、すぐには変わりません。

たとえば、パンが1個しかないのに、お金を持っている人が10人もいたら、「パンの奪い合い」になります。


そして、みんな「もっと高くてもいいからほしい!」と言い出し、値段はどんどん上がっていくのです。

お客さんがみんなお金持ちになるのは、良いことのように思えます。

しかし、商品の量が少ないままだと、お客さんが奪い合って商品を買うようになります。

結果として、商品の値段がどんどん上がってしまうのです。

インフレの何が危険なのか

それでは、インフレの何が危険なのでしょうか?

インフレが危険な理由は、まず、貯金の価値が下がってしまうことです。

例えば、Aさんが、10年かけて、100万円を貯金したとします。

そして、ものすごいインフレになって、パン一個買うのに100万円が必要になったとします。

Aさんは、100万円を頑張って貯めたのに、それで「パン一個しか買えない」ということになったら、Aさんにとってショックです。

この「商品の値段がどんどん上がっていく状態」は、見方を変えると、「お金の価値がどんどん下がっていく状態」ともいえます。

高齢者とかはインフレが起きてしまうと、どんどん「貧しく」なっていってしまうのです。

そして、お金の価値が下がってしまうのであれば、みんなお金を信用しなくなります。

昨日の100万円が、今日になったら100円分の価値しかない、なんてことが起きたら大変です。

しかも、物価が上がっても、給料はなかなか柔軟には変わりません。

給料が増えるスピードが物価に追いつかないと、実質的に貧しくなってしまいます。

戦後の日本のしくじり

戦後の日本は、このしくじりを経験しています。

当時は、政府が日本銀行から、直接お金を借りることができました。

そして、それを実際にやったため、日本がお金で溢れかえりました。

しかし、モノは全然足りませんでした。

その結果、ものすごいインフレになりました。

インフレが原因で、人々の生活が貧しくなってしまったのです。

市中消化の原則がつくられる

この経験から、政府は、日本銀行に直接、国債を売ることが禁止されるようになりました。

そして、国債を売る時は、間に銀行を挟むようになりました。

ちなみに、「お金を借りる」と「国債を売る」というのは、同じことを指しています。

どちらも「お金と国債を交換する」という意味です。

お金を借りるときに、それと同時に、国債を売っています。

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