ケインズのマネーサプライ(貨幣供給)についての考え方は、古典派と大きく違います。
ポイントは、買い物をする人が増えるかどうかです。
古典派は、マネーサプライが増えても、買い物する人は増えないと考えました。
ケインズは、マネーサプライが増えると、買い物をする人が増えると考えました。

マネーサプライ
マネーサプライとは、国に供給するお金の量のことです。

日本銀行
日本銀行は、日本のお金を刷る場所です。
日本銀行は、マネーサプライを増やしたり、減らしたりすることができます。
日本銀行は、国内のお金の量が適量になるように、調整をしてくれています。
古典派の意見
次に、マネーサプライが増えるとどうなるのか、
古典派とケインズのそれぞれの意見を見ていきます。
まず古典派は、マネーサプライが増えると、「物価が上がる」と考えます。
お店の商品の値段が高くなるということです。
これは、お客さんにとっては、残念なことです。
買い物できる量が減るからです。

ケインズの意見
一方で、ケインズ派は、マネーサプライが増えると「給料が上がる」と考えます。
給料が上がって、買い物できる量が増えるのです。

マネーサプライが増えると、人々の手持ちのお金が少し増えます。
すると、人々は買い物する量を増やします。
また、企業は、設備投資を増やします。
こうして、お金を使う人が増えると、その分、儲かる人がいます。
誰かが消費すれば、別の誰かが儲かるのです。
そのため、買い物をする人が増えることで、景気がよくなる、とケインズは考えます。
金融政策
マネーサプライを調節することを金融政策と言います。
金融政策は、主に3種類あります。
①公開市場操作(売りオペ・買いオペ)
②政策金利の調整
③預金準備率操作
金融政策でマネーサプライを増やすと、銀行のお金が増えます。
そして、銀行が国民にお金を貸し出すので、最終的に、国に出回るお金の量が増えます。
