フリードマンは、マネタリストで新自由主義者です。
「マネタリスト」と「新自由主義者」は、何が違うのか見ていきます。
2つの違い
マネタリズムは、国のお金の量の話です。
一方で、新自由主義は、自由と競争を大事にする考え方のことです。

また、マネタリズムは、中央銀行の仕事の話をしていますが
新自由主義は、政府の仕事の話です。

それぞれを詳しくみていきます。
マネタリズム
マネタリズムは、国の中にあるお金の量が論点です。
国のお金の量が多すぎたらインフレになります。
一方で、少なすぎたら、デフレになります。
適度にすることが大切なのです。

国の中にあるお金が多すぎると物の値段が上がって、お客さんが困ります。(インフレ)
しかし、少なすぎると景気が悪くなって、お店が儲からなくなってしまいます。(デフレ)
だから、「お金の量」をうまくコントロールすることが大事なんだ、とマネタリズムでは考えます。
お金の量を調節するのは、中央銀行です。
日本では、日本銀行が、国のお金の量を調節しています。

従来の考え方(ケインズ派)では「国の中のお金の量が多い方が景気が良くなる」と考えられていました。
そのため、ケインズは、景気が悪い時は、国のお金の量を増やすべきだと主張しました。
しかし、マネタリズムでは「国のお金の量が多すぎたらダメだ」と考えます。

裁量的とは、「人が考えてやる」ということです。
「裁量的だ」と批判するときは、「当てずっぽうすぎる」というニュアンスで使います。
新自由主義者のフリードマンは、「ケインズのやり方は、裁量的すぎるから良くない」と批判しました。
つまり「ガンガンお金を増やすのは良くない」ということです。
そして、マネタリストは、ルールに基づいた金融政策を主張しています。

これが、マネタリストの意見です。
新自由主義
それに対して、新自由主義は、競争を大事にする考え方のことです。
新自由主義は「がんばった人(勝者)が成功するのがいいことだ」という考え方をしています。
「競争」のメリットは大きく分けて3つです。
- 努力する人が増える
- お客さんはより良い商品が買える
- 新しいアイディアが生まれる
競争を大事にすると、景気は良くなります。
なぜなら、競争があると「負けたくない!」と頑張る人が増えるからです。
競争をすれば、全体のレベルが上がっていきます。
その結果、お客さんは、良いものを安く買えるようになります。
さらに、「ほかの人と同じことをしても勝てない」と考えた人は、新しいアイデアを生み出そうと努力します。

こうして、競争は、景気を良くすることができるのです。
しかし、競争に負けると、貧しくなってしまいます。
そのため「これは弱者を切り捨てる考え方だ」と批判されることもあります。
まとめ
- マネタリズム → 「お金の量をうまく調整しよう」
- 新自由主義 → 「自由な競争を大切にしよう」
ふたつとも「政府があまり出しゃばらない方がいい」という点では似ています。
しかし
マネタリズムはお金の動きに注目していて、
新自由主義は自由と競争に注目しています。