マネタリズム
マネタリストは、「お金の量(マネー)」が景気を動かす、と考える人たちのことです。
国にあるお金の量を、ちょうどいいスピードで増やしてあげれば、経済が安定すると考えています。
お金の量を増やしたり、減らしたりすることを「貨幣量のコントロール」と言います。

国のお金の量をほどよく増やすことが大切です。
お金を増やすことを「お金を供給する」と言います。
お金の量が少なすぎる→デフレ
お金の量が多すぎる→インフレ

インフレもデフレも、トラブルになります。
そのため、マネタリストはこう考えます。
「国の景気をよくするには、お金の量をうまくコントロールすることが大事だ!」
ルールに基づいた金融政策
マネタリストは、ルールに基づいた金融政策が大切だと考えています。
ルールというのは、例えば「毎年お金の量を3%ずつ増やす」というようなルールです。
ところで、お金をずっと増やし続けていいのでしょうか?

国のお金の量は、少しずつなら、増やしてOKです。
しかし、急にたくさん増やすのはよくありません。
世の中では、毎年すこしずつ
・人が増えたり
・会社が成長したり
・物を作る量がふえたり
しますよね。
そうなると、お金の量もすこし増やさないと足りなくなってしまいます。

国の成長のスピードに合わせて、お金を刷れば、インフレやデフレになりません。
定期的にお金を刷っていくことで、お金の価値を一定に保つことができるのです。
そのため、マネタリズムの人たちは、ルールに基づいた金融政策を主張しました。

マネタリストが生まれた背景
みんながたくさんお金を持っているとどうなるでしょう?
→ 買い物をいっぱいしますね。
→ お店の売り上げが増えます。
→ 景気(けいき)がよくなります!
逆に、お金が少ないとどうなるでしょう?
→ 買い物が減ります。
→ お店が困ります。
→ 景気が悪くなります…。
→デフレ
マネタリストの前の時代の人は、
「お金を増やせば景気が良くなる」
と信じていました。
そのため、お金をたくさん増やしました。
しかし、それでは、新しい問題が生まれてしまいます
インフレです。

「インフレ」は、物の値段がどんどん上がることです。
たとえば、去年100円だったお菓子が、今年は120円になったら、それはインフレです。
インフレになると、買い物できる量が減ってしまって、みんなが困ってしまいます。

マネタリストは、「インフレはこわい」と考えています。
最後に
マネタリストたちは、インフレにならないように、インフレ対策をすることを重視しています。
なぜなら、マネタリストであるフリードマンは、世界がインフレに悩まされた時期の経済学者だからです。
フリードマンが現れる前は、「インフレになれば失業者が減る」といった考え方がありました。
しかし、実際はそうではなかったのです。
インフレになったのに、失業者が減らない「スタグフレーション」というものが起きたのです。
そのため、フリードマンは、失業者を減らそうとするとインフレになるから、良くないと考えました。

