ビルトインスタビライザーの例をイラストで分かりやすく解説

経済学入門
スポンサーリンク

政府が特別なことをしなくても、景気は自然と安定するようになっています。

その仕組みのことを、ビルトイン・スタビライザーと言います。

別名は、自動安定化装置です。

ビルトインとは

ビルトインには「あらかじめ組み込まれている」という意味があります。

例えば、ビルトイン・ガレージと言えば、あらかじめ家にガレージが組み込まれているということです。

スタビライザーとは

次に、スタビライザーには「安定化させる」という意味があります。

例えば、フィン・スタビライザーといえば、船を安定化させるためのフィン(ひれ)を指します。

ビルトイン・スタビライザーとは「あらかじめ組み込まれた安定化装置」という意味です。

政府が特に何も政策を打たなくても「勝手に」景気が穏やかになる仕組みのことを指します。

自動安定化装置


「ビルトイン・スタビライザー(自動安定化装置)」とは、景気が悪くなっても自然と景気が良くなるように戻っていく仕組みのことです。

不景気の時に、不景気になりすぎないようにしたり、好景気の時に、好景気になりすぎないようにします。

景気は安定するようになっているので、政府が特別なことをしなくても、景気は急激に変化しないようになっています。

景気が悪い場合

ビルトイン・スタビライザーの具体例についてです。

まずは、景気が悪い場合を見ていきます。

「景気が悪い」というのは、みんながお金を持っていない状態のことです。

お金を持っていないとき、人々はお店に行っても、あまりたくさん買うことができません。

これを「購買力が落ちる」と言います。

買い物をする量が減るということです。

購買力が落ちると、お店は儲からなくなります。

お店が儲からない時は、働いてる人の給料が減ります。

または、クビになる人が出てきます。

クビになると、給料がなくなります。

給料のことを「所得」と言います。

所得の税金のことを「所得税」と言います。

所得税とは、働いて稼いだお金の金額の分だけ国に納める税金のことです。

無職の人は、所得税を払わなくていいです。

無職になると、税金の負担は減るのです。

また、無職の人は、失業手当というお金を国からもらえます。

失業手当は、ビルトインスタビライザーの一つです。

失業手当とは、社会保障の一つです。

失業手当をもらった人は、買い物をすることができます。

購買力が上がります。

購買力が上がるとお店が儲かります。

お店が儲かって忙しくなると、再び、働く人を増やす必要が出てきます。

失業者がお店に雇われます。

お店に雇われれば、毎月、給料がもらえるのでハッピーです。

こうして景気が良くなります。

景気が過熱した場合

景気が良くなりすぎる状態のことを「景気が過熱する」と言います。

景気が良くなりすぎている時は、国民みんながお金をたくさん持っています。

お金があるので、購買力が上がります。

購買力が上がるので、お客さんは、買い物をどんどんします。

お客さんがどんどん商品を買ってくれる時は、お店が儲かります。

お店が儲かっている時は、働いてる人に給料をたくさん与えることができます。

働いてる人の給料が上がります。

給料が増えると、国に納める所得税も増えます。

所得税は「累進課税」です。

たくさん稼いだ場合は、たくさん税金を納めます。

税金が増えれば、その分、購買力が落ちます。

これのおかげで、景気が過熱することを防ぐことができます。

累進課税とは

累進課税とは、お金をたくさん稼いだ時に、たくさんの税金を納める制度のことです。

お金をあまり稼いでいない時は、あまり税金を納めません。

所得税は、累進課税です。

景気が悪くなり人々の所得が減ると、国に納める税金も減ります。

不景気の時は、税の負担が減ります。

不景気の時には国民から取る税金が減ります。

税収を減らすことで、税金を納めるときの負担を減らします。

一方で、景気が過熱してる時は、逆のことが起きます。

景気がいいときは、お金がたくさん稼げます。

そんな時は、最近が増えます。

これのせいで、お金をたくさん稼いでも手元に残りずらくなっています。

累進課税だと、給料が増えても、手元にお金が残りにくいです。

手元に残るお金が減らされることによって、消費も抑えることができます。

このようにして、景気が過熱するのを抑えています。

社会保障とは

次に、社会保障について説明します。

社会保障とは、いろんな理由で給料が減ってしまった場合に、政府からお金やサービスがもらえる制度のことです。

例えば、怪我や病気で働けない時や、会社をクビになった時にお金がもらえます。

社会保障が必要な理由は、その人が可哀想だからではなくて、景気の悪化を防ぐためです。

貧しくなって購買力が落ちると、その周辺のお店が儲からなくなります。

すると、さらに景気が悪化してしまいます。

国民の購買力が下がると、良くないので、社会保障によって、景気の悪化を防ぎます。

また、政府から国民にお金が移動するので、マネーストック(世の中に出回るお金)が増えます。

マネーストックが増えると、世の中にお金が溢れるので景気が良くなりやすいです。

一方で、景気が良くなって、人々が働けるようになれば、社会保障は必要なくなります。

給料が毎月入ってくるので、政府から生活保護を受ける必要はなくなります。

このように、社会保障があることで、景気の悪化を防いでいます。

最後に

ビルトイン・スタビライザーとは、景気の自動安定化装置です。

ビルトイン・スタビライザーがあると「自然に」「自動的に」困ってる人を助けることができます。

 

タイトルとURLをコピーしました