セイの法則をイラストで分かりやすく説明

古典派
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作ったら売れる 

セイの法則は、作ったら、全て売れるという考え方をしています。

なぜ、ぜんぶ売れると考えたのでしょうか?

それは、売れるまで、値段を下げればいいからです。

例えば、パンを作りすぎてしまっても、売れるまで値段を下げたら、売り切ることができます。

売れるまでお店に置いておけばいいのです。

セイの法則では「供給は需要を作る」と言われています。

「供給は需要を作る」というのは「モノを作れば、必ず、買うお客さんが現れる」ということです。

例えば「パン屋さんでパンを焼けば、必ず全部、売り切ることができる」ということになっていました。

「作れば売れる」のだから、たくさん作れば良いと考えられていました。

セイの法則

パンをたくさん作ると、お店に並ぶパンの数が増えます。

お客さんは、たくさんパンを買うことができます。

そして、パン屋は儲けることができます。

生産すればするほど、その国は豊かになるので、たくさん生産するべきだということです。

また、セイの法則では「人が貯金をしない」ということが前提になっています。

給料として入ってきたお金を、全てなにかしら買い物に使います。

そう考えれば、需要が供給と等しくなります。

ある商品は、売れ残るかもしれませんが、その場合は、別のある商品が品不足になっています。

全部を合わせると、相殺されます。

失業問題

次にセイの法則を使って、失業問題を考えていきます。

ここでは、「労働者は、自分の労働力を売っている」という考え方をします。

なぜなら、働くということは「労働力という商品を売っていること」と同じだからです。

また、景気が悪い時は、給料は下がるべきだと考えられていました。

なぜなら、景気が悪いときは、どこのお店も、人を雇う余裕がなくて、労働力が売れなくなるからです。

雇ってくれる人がいない状況になります。

そんなときは、労働者は、自分の理想の給料を下げるべきです。

安い給料で雇ってくれるところは、実はたくさんあります。

高い給料を求めているから、雇ってくれるお店を見つけられないだけなのです。

給料に妥協したら、働く場所が見つかるはずなのです。

仕事が見つからない人は、自分の理想の給料を下げていけば、働く場所が見つかります。

例えば、もし「時給1円で働きます」と、労働者が言えば、その労働力を買いたがるお店が現れます。

つまり、労働者が「給料が安くてOK」と妥協すれば、雇ってくれる人が現れるということです。

そのため、セイの法則が信じられていた時代は、「失業問題は存在しない」と考えられていました。

存在しているのは、「給料が低すぎて働きたくない」と言ってるだけの、わがままな失業者だけだ、と考えられていました。

給料が高い仕事につけないのなら、給料の低い仕事で働けばいいのです。

失業者とは、売れ残りです。

労働力を売ることができずに、売れ残っている状態です。

そんな人がするべきことは、理想の給料を下げることです。

「給料は安くてもいいので、働かせてください」というスタンスで仕事を探すべきだと、古典派は考えました。

失業問題は存在しない

失業している人が「給料が安くて良いから、働かせてください」と言ったら、ぜったい企業はその人を雇います。

なぜなら、人を雇えば、よりたくさんのパンを作れるからです。

作ったものは必ず売れるので、働く人が増えたら、企業の利益が増えます。

何度も言いますが、セイの法則では「作ったモノは必ず売れる」ことになっています。

「作ったものが必ず売れる」ということを前提にすれば、商品をたくさん作るほど、儲かることになります。

それなら、一緒に働く仲間は、多ければ多い方がいいです。

完全雇用の作り方

労働者を雇えば、作れるパンの量が増えます。

そして、作れば全部売れることになってるので、パンをたくさん作った分、たくさん儲けることができます。

こうして失業が解消されるのです。

反論

ここまで読んだ方の中には、反論もあると思います。

労働者の賃金が下がったら、かわいそう

たしかに、労働者の給料が下がったら、かわいそうだという考え方もあります。

しかし、かわいそうじゃないかもしれません。

なぜなら、景気が悪い時は、モノの値段も下がってるため、モノが買えなくなるわけではないからです。

例えば、給料が急に10円になったら悲しいと思います。

しかし、お店のパンの値段が1円になっていたら、どうでしょう?

給料が下がっても、生活費も下がるのであれば、生活が苦しくなるわけではありません。

給料が減っても、物価も下がっていれば、生活の質は、変わらないのです。

つまり、物価が下がってる時期なら、給料が下がっても、かわいそうではないのです。

まとめ

不況になったら「商品の値段」と「労働者の給料」は、下がるはずだというのがセイの法則の考え方です。

そして、金額が下がれば、買い手が現れます。

だから、商品は売れ残らないし、失業者も現れない、というのが、セイの法則を信じている人たちの考え方です。

「不味いパンも、安かったら売れるはず」ということです。

しかし、ケインズは、反論しました。

ケインズは、給料は簡単には下がらないと考えました。

それは、賃金の下方硬直性と呼ばれています。

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