有効需要が大きいとは、買い物してくれる人がたくさんいる状態です。
買い物してくれる人が多いと、その国には、儲かってる人が多いということです。
つまり、国の経済規模は大きいということです。
この記事では、「有効需要が、国の経済規模を決定する」という言葉の意味について、詳しく見ていきます。
有効需要
お金を出してでも何かを欲しいと思う事を「有効需要」と言います。
一方で、「欲しい」と思っているだけで、お金を持っているかどうかは分からない状況は、ただの「需要」だと、ケインズは言いました。

有効需要とは、お金と欲しい気持ちが両方あることです。
つまり、「有効需要」とは「買ってくれる人」です。
一方で、需要は、お金があるかどうかは分かりません。
「需要があるのに、お金がないから、買えない」ということもありえます。

そのため、「お客さんが買い物をしてくれるためには、有効需要が必要だ」とケインズは考えました。
経済規模
経済規模とは、「その国がどのくらい儲かっているのか」ということです。
人が働いて、モノを作ったり、売ったりすると、お金をもらいます。
モノを売って、お金をもらうことを「儲かる」といいます。
「働いて」「モノをつくって」「お金をもらう」という国民がたくさんいると、経済規模は大きくなります。
生産量=有効需要
ケインズは、生産量の大きさは、有効需要の大きさで決まると考えました。
生産量とは、「どれだけ沢山つくったのか」ということです。
「お客さんがたくさん買ってくれるなら、お店は、たくさん生産をする」ということです。

例えば、ケーキを作る時は、「お客さんが、どれだけのケーキを買ってくれるのか」を予想してから、作ります。
例えば「ケーキは買いたいけど、お金がないから買えない」という人ばかりなら、ケーキ屋さんは、生産量を減らします。
お客さんが買ってくれないなら、たくさん作ってもしょうがないからです。
有効需要=経済規模
「有効需要が大きい」ということは、買い物する人がたくさんいるということです。
ケーキ買う人がいれば、ケーキを売って儲かる人がいます。
生産されたモノの合計のことを、国の経済規模と言います。
買う人が沢山いるということは、お店側もたくさんの生産をするので、国の経済規模が大きいということになります。

生産量=国民所得
次に、生産量と、国民所得についてです。
生産量とは、例えば「どれだけケーキを作ったのか」ということです。
そして、国民所得とは、「どれだけ給料をもらったのか」ということです。
ケーキを作る人には、給料が払われます。
そのため、たくさんの人がケーキを作れば、それだけたくさんの人が給料をもらいます。
国民の所得(お給料)になります。

ケーキがたくさん作られたら、それだけ、給料をもらう人がいるということです。
作った分だけ、給料となるため、生産量=国民所得となります。
国民所得=経済規模
次に、国民所得と、経済規模についてです。
国民全体が「どれだけお金を稼いだのか」は、その国の「経済がどれだけ大きいのか」を表します。
そのため、国民所得=経済規模となります。

国民の所得が多ければ、その国の経済は大きいです。
一方で、国民の所得が少なれば、その国の経済は小さいです。
有効需要の原理
有効需要の原理では、有効需要が、生産量や国民所得などの「国の経済規模」を決定するという考え方をします。
そもそも商品を買うお客さんがいなければ、国は発展しないのです。

たとえば、ケーキ屋さんで考えてみます。
ケーキを買うお客さんが多ければ、ケーキをたくさん売ることができます。
ケーキ屋さんは、ケーキをたくさん作っておくようになります。(生産が増える)
ケーキ屋が儲かります。(国民所得が増える)
こうして、経済規模が大きくなります。

景気を良くするためには、ケーキを買いたい人が増えることが大事なのです。
そのため、ケインズは「お客さん(国民)がお金を持っていることが大切だ」と考えました。
貧しい人や失業者を放っておくのではなくて、政府が積極的に助けることで、国全体の利益につながるのです。

モノは売れ残る
有効需要の原理を考えたのは、ケインズです。
ケインズの考えの特徴的なところは、「モノは売れ残る」と考えているところです。
これは、古典派の考え方には無い考え方です。
古典派は「売れ残ったら、値下げをすれば、売り切ることができる」と考えています。
一方で、ケインズは、「お客さんがお金をもっていないと、ものは売れない」という主張をしています。
例えば、ケーキ屋さんで、ケーキを作りすぎた場合はどうなるでしょうか?

有効需要の分しか、モノは売れません。
買ってくれるお客さんがいない時は、モノは売れ残ります。
すると、生産者は、生産量を減らしていきます。

ケーキを買う人が少ないなら、ケーキを作る数を減らします。
つまり、生産しすぎてしまった場合は、数を調節するのです。
数で調整することを「数量調整」と言います。
しかし、生産が減るということは、経済規模が小さくなってしまうということです。
経済学においては、経済規模は大きい方がいいです。
経済規模を大きくするためには、どうすればいいのでしょうか。
有効需要を増やせ
ケインズは、経済規模を大きくするために「有効需要を増やそう」と考えました。

ケインズは、「国民がお金を持っているべきだ」という考え方をしています。
なぜなら、国民がお金を持っていれば、国民は商品を買うからです。(有効需要が増える)
有効需要が増えると、生産量が増えて、お店が儲かります。
お店が儲かれば、経済規模を大きくすることができるのです。
まとめ:経済規模を大きくするには?
「お客さん(国民)が「お金をもっている」こと」が大切
お金があると、買い物をしてくれる
↓
買い物をする人が増えると、お店が儲かる
↓
お店が儲かると、働く人の給料が増える。
こうして、経済規模を大きくしていくことができます。
このためケインズは、まずは、「国民にお金を行き渡らせよう」と、提案しました。