安倍政権
日本は、安倍政権のとき、デフレに悩まされていました。
安倍政権は、デフレを解決するために、日本をちょっと、インフレにしようと考えました。
インフレを作ろうとする人たちのことをリフレ派と言います。
リフレーション
リフレーションとは、ゆるやかなインフレを作ることです。
略して、「リフレ」です。
リフレ派が掲げる目標のことをインフレ目標と言います。
リフレ派は、インフレ目標を掲げています。
インフレ目標
「インフレ目標」と「インフレターゲット」は、同じ意味です。
2013年、日本は、インフレ目標を作りました。
インフレ目標とは、日本においては、「インフレにするという目標」です。
別の国だと「インフレを抑える目標」の場合もあります。
日本の場合は、ゆるやかなインフレを作ることで、デフレから脱却することを目指しています。
インフレを作る方法
インフレとは、物価がどんどん高くなっていくことです。
インフレは作ることができます。
インフレを作るためには、お金がたくさんあればOKです。
そのため、お金を刷ると、インフレになります。
世の中にお金が溢れている状況を「インフレ」と言います。
お金を刷ることを「金融緩和」と言います。
金融緩和
金融緩和をする(お金をたくさん刷る)と、世の中にお金が溢れます。
ここで、賢い人たちは、未来を予想します。
世の中にお金が溢れかえったら、どうなるのか？
世の中が、お金であふれると、国民がみんなお金持ちになります。
国民がいっせいにお金持ちになるので、モノが高くても売れるようになります。
モノの値段が上がります。
賢い人は、それを予想します。
商品が値上がりする前に
これから、どんどん商品が値上がりすると分かっていたら、どんな行動を取るべきでしょうか？
明日に比べれば、いまの商品の値段は安いです。
明日に比べて、今日買う方が安いので、「今のうちに商品を買わなければならない」という焦りが町中に広がります。
このように人々が考えるので、お店のものがよく売れるようになります。
このような予想なことを「インフレ期待」と言います。
インフレ期待
「期待」とは「予想」のことです。
インフレになることを予想することを「インフレ期待」と言います。
インフレ期待が高まると、人々はたくさん買い物をするようになります。
その結果、お店のモノがよく売れて、物価が上がります。
つまり、インフレになります。
このように、リフレ派は、「インフレ目標をつくって、大量にお金を刷れば、景気が良くなる」と考えています。
このような考え方を「貨幣数量説」と言います。
貨幣数量説
貨幣数量説とは、物価が上がるかどうかは、「世の中のお金の量」が重要であるということです。
ちなみに「世の中」とは、「国内」とか「日本」というようなニュアンスです。
貨幣数量説を主張した経済学者は、フリードマンです。
フリードマンは、「インフレは貨幣現象である」と言いました。
つまり、お金の量をコントロールすれば、デフレもインフレも解決できるという考え方です。
また、安倍首相も、2013年に「デフレは貨幣現象である」と言いました。
フリードマンの貨幣数量説を使って景気の回復を図りました。
結局、どうだったのか？
「日銀がジャンジャンお札を刷ればデフレは止まる」という考え方の下に始まった量的緩和は、結局どうだったのでしょうか？
結論から言うと、あまりモノが売れるようにはなりませんでした。
なぜでしょうか？
その理由は、日本人は、お金を持っていても、使わないからです。
ここでいう国民とは、個人だけでなく企業も含まれます。
日本の企業は、お金を持っているのに、お金を使っていないのです。
お客さんがお金を使わないので、お店は儲からず、モノの生産も増えませんでした。
お客さんがお金を持っていても、生産量が増えなければ、経済が発展しないのです。
なぜ、経済が発展しなかったのか
人々は、インフレになることを予想すると、急いで買い物をするはずです。
インフレになるなら、急いで買い物をした方がいいのです。
政府や日本銀行の予想では、日本銀行がお金をたくさん刷ることで、人々がインフレを予想するだろう、となっていました。
人々がインフレを予想すると、「早く買い物をしなければいけない」という焦りのムードが広がります。
お客さんが焦って買い物をすると、モノが売れるようになります。
買い物をする人が増えたら、経済が良くなるのです。
つまり、日本銀行がジャンジャンお金を刷ったらモノが良く売れるようになり、経済が良く回るようになるだろうと考えられていました。
しかし、現実には、買い物をする人が増えませんでした。
その理由は、国民が無反応だったからです。
日本銀行がジャンジャンお金を刷っても、国民は「早く買い物しなきゃ！！」とはならなかったのです。
それで、買い物をする人が増えなかったので、経済は良くならなかったのです。
ちなみに、「買い物をする人が増えない」ことを「実体経済に影響しない」と言います。
