国債には、金利があります。金利の高さは、債券が発行されたタイミングによって変わります。
国債の金利がどのようにして決まるのか、みていきます。
政府の目線
国債とは、政府が「お金を貸してください」という時に発行する紙です。
金利とは、政府にとって払うお金です。
政府はできるだけ低い金利の国債を発行したいと考えています。

お金を貸す人の目線
国民は、政府にお金を貸すことができます。
金利とは、お金を貸す人がもらうものです。
もらうお金は多い方がいいです。
そのため、できるだけ高い金利でお金を貸したいと考えています。

国債を発行
例えば、ある日、政府が額面100万円の国債を発行したとします。
「額面100万円」とは、「政府が100万円を借りる」ということです。
そして、政府は金利2%にしたいと考えています。
Aさんは、金利2%で100万円を貸してあげてもいいと考えたとします。
Aさんは、100万円を政府に貸します。

Aさんは、額面100万円の国債を受け取ります。
この国債の金利は2%です。
100万円の2%なので、毎年2万円を受け取ります。
(金利は、国債が発行されるタイミングで決まって、固定されます)

再び国債を発行
その後も政府は国債を発行したいと思っていました。
しかし金利2%でお金を貸してくれる人がなかなか現れません。
そのため、政府は金利を3%にしました。
すると、お金を貸してくれる人が現れました。
Bさんです。
Bさんは、金利3%でお金を貸してくれると言ってくれました。
Bさんは、金利3%の国債を買いました。
これを「長期金利が上がった状態」といいます。

「長期金利」とは、1年以上の国債の金利のことををいいます。
Bさんは、金利3%で100万円を貸してあげてもいいと考えたとします。
Bさんは、100万円を政府に貸します。

Bさんは、額面100万円の国債を受け取ります。
この国債の金利は3%です。
100万円の3%なので、毎年3万円を受け取ります。

国債は、まるで「お金のなる木」です。
額面100万円で、金利3%なら、毎年3万円が手に入ります。

人々が政府にお金を貸して、国債を手に入れる理由は、金利を受け取るためです。

国債は転売できる
国債は転売できます。
AさんとBさんは、国債を持っています。
国債を持っている間は、利子を受け取ることができます。
しかし、それを他人に転売してもOKです。
転売する場所のことを「債券市場」と言います。

国債は、債券市場で売ったり買ったりできます。
ここの売り買いは国民どうしでやっていて、政府は介入しません。
国債市場では、額面ではなくて、新たに「国債価格」というのがつけられます。
額面と国債価格
額面と、国債価格は違います。
額面は、いくら政府にお金を貸しているのかの数字です。
国債価格は、債券市場で売り買いする時の価格です。

国債価格は変わります。
しかし、金利は固定されていて変わりません。

Aさんの国債は、高く買っても安く買っても、金利は、2万円のままです。
Bさんの国債は、高く買っても安く買っても、金利は、3万円のままです。
債券市場で、AさんとBさんは国債を売ろうとしました。
Aさんは、金利2%の国債を売っています。

Aさんから国債を買うと、毎年2万円の金利がもらえます。
一方で、Bさんは、金利3%の国債を売っています。

Bさんから国債を買うと、毎年3万円の金利がもらえます。
そのため、Bさんが持っている毎年3万円もらえる国債に人気が集まります。

Bさんの国債は人気になると、Aさんは、国債を売りたくても、Aさんの国債を買ってくれる人は現れません。
こうなるとAさんはその国債を売るために値段を下げなければいけません。

こうして長期金利が上がった結果、国債価格が下がるのです。
まとめ
Bさんの国債の長期金利が、Aさんのより高くなると、Aさんの国債価格は下がります。
その理由は、Aさんの国債が債券市場で売れづらくなるからです。

値下げしないと国債が売れない時に、国債の価格を下げるのです。