景気を良くする方法
貯金の量と設備投資の量が「同じ量」だと景気が良くなります。
貯金する人がいて、銀行にお金がある時、銀行はお金を貸すことができます。

お金を借りた企業は、設備投資をするので、そこでお金が動きます。
建築業者や下請け工場が儲かります。
設備投資が増えると、儲かる人が増えるのです。

景気を良くするためには、人々が貯金の量と同じくらい設備投資が増えることが大切です。
設備投資
設備投資というのは、「企業の買い物」みたいなものです。
新しい機械を買ったり
仕事で使うための車を買ったり
工場を大きくするためにお金を使ったり
これが設備投資です。

たとえば、新しく工場を作るとします。
そのとき、建物を作る建築会社が儲かります。
材料を運ぶ人も儲かります。
設置する人も儲かります。
つまり、いろんな人にお金が回ります。

企業が工場や機械を買うと、多くの人や会社にお金が支払われます。
設備投資によって仕事が増えるため、労働者の給料が増えたり、新しく人が雇われたりします。
お金が動くのです。
景気がいいというのは
- 仕事が増える
- お金をもらえる人が増える
- お店も売れる
という状態です。
会社が設備投資をすると、お金が広がって、みんなが元気になるのです。
工場が大きくなれば、その会社はもっと商品をたくさん作れるようになります。

銀行から、お金を借りて、そのお金を使って、お金を増やして、銀行にお金を返す。
これが、設備投資です。
儲かれば、そのお金で銀行にお金を返すことができます。

お客さんの買い物のことを「消費」といいます。
設備投資も、ある意味「消費」です。
両方とも「買う」という行動をしています。
「消費」が増えると、儲かる人がいるので、景気が良くなるのです。
設備投資が増えない
ケインズの時代の問題点は、貯金する人は、たくさんいるのに、設備投資が増えないことでした。

貯蓄が多いのに、投資が少ないことが、不況の原因でした。
ケインズの時代、企業は、工場やお店を大きくするのが怖いと思っていました。
なぜなら、商品をたくさん作っても、お客さんが買わないかもしれないからです。
当時の人々は、あまり物を買わない人が多く、みんな節約思考でした。
そのため、「お店を大きくしても、そもそもお客さんが来ないかも…」と不安だったのです。
銀行からお金を借りて、お店を大きくしても、そこで儲からなかったら、お金が返せません。
銀行からお金を借りてまで挑戦するのは、怖かったのです。

不況の原因
人々が貯金を増やす
↓
消費が減る
↓
商品が売れなくなる
↓
企業の売上が減る
↓
企業が生産を減らす
↓
失業が増える

I < Sだから景気が悪い
「I」は、投資(Investment)のことです。
「S」は、貯蓄(Saving)のことです。
投資が貯蓄より少ない時に、景気は悪くなってしまいます。

投資が少ない(I < S)
企業が投資に消極的になる
↓
工場や設備が増えない
↓
雇用が減る
↓
景気が悪くなる
景気を良くする方法(プランA)
ケインズは、景気をよくする方法をいくつか紹介しています。
今回はおしゃれに、プランA と、プランBと呼ぼうと思います。
まず、プランAは、投資をする人を増やすことです。
景気を良くするためには、I=Sにしないといけません。
投資の額と貯蓄の額を一致させる必要があるのです。

つまり、民間企業がもっと勇気をだして、銀行からお金を借りないといけないのです。
これがプランAです。
しかし、プランAだけでは景気はよくならないと、ケインズは考えています。
勇気がある人が少ないからです。
景気をよくする方法(プランB)
ケインズが提案したプランBは、政府が財政政策をすることです。
例えば、橋や道路を作ることです。
財政政策は、ニュアンスだけを伝えると、「政府の買い物」みたいなものです。
財政政策をすると、お金が動きます。
例えば、橋を作れば、作る人が儲かります。
財政政策は、莫大なお金が動く活動なのです。

たとえば橋を作ると
- 建築会社にお金が入る
- 働く人の給料が増える
- その人たちが買い物をする
- 他の店の売上も増える
という形で、経済全体に広がっていきます。
「みんながお金を使うこと」が、景気を動かす力になるということです。
住宅も市役所も電力網も水道も、必要なものは、たくさんあります。
それらを政府が作ることで、新たに仕事が生まれると、ケインズは主張しました。
民間の消費が少ないなら、政府がお金を使おう
ケインズは、「民間の消費が少ないなら、政府がお金を使おう」と言いました。

民間とは、企業や、お店のお客さんのことです。
民間の人は、節約志向のときは、買い物をしません。
しかし、景気を良くするためには、消費を増やさないといけません。
つまり、買い物をする人を増やす必要があります。

だから、政府が消費を増やした方がいいということです。
「政府が消費をする」というのは、つまり「財政政策で、橋などをつくる」ということです。
ケインズへの反論
ケインズは、反論に言及しています。
ケインズへの反論は、これです。
「道路や橋を作りすぎたらどうするの?」

ケインズがいた時代、人々は、こう考えていました。
・ゆくゆくは、人口増加も止まって、将来の人口は横ばいになる。
・それなのに、沢山のものを作っても、どうせ使われないものも出てくる。
・作りすぎたら、将来ムダになるのでは?
ケインズからの反反論
ケインズの反反論を、端的にいうと
・作りすぎを気にしないで
ということです。
・作りすぎたとしても、意味があるのが公共事業
なぜなら、それを作ることで、雇用が生まれるからです。

作りすぎてもOKだと、ケインズは考えました。
なぜ作りすぎてもokなのか
道路や橋を作ると、その労働者に給料が支払われます。
給料をもらった人が、お弁当を買うので、消費が増えます。
お弁当屋さんが儲かります。
お弁当屋さんが、材料をもっと買ったりすると、さらに多くのお店が儲かります。
こうして景気が回復するのです。
穴掘って埋めたっていい
ケインズは、無駄なものを作ったっていいと言いました。
極端な例として、
- ビンにお金を入れて地面に埋める
- それを人に掘り出させる
「そういう仕事ですら、やる価値がある」
と話しています。

ケインズは、遊休資源(ゆうきゅうしげん)」があるのは、問題だと考えました。
遊休資源とは、たとえば
- 働きたいのに仕事がない人
- 工場や機械が使われず止まっている状態
- 売れ残っている商品
- 空いている土地や建物
など、「使えるのに使われていないもの」です。
不況のときは
- 人はいる
- 工場もある
- 機械もある
それなのに仕事だけがないという状態になっています。
つまり資源が余っているのです。

これは、社会に眠っているチカラです。
これを生かさないと、もったいないです。
そのためケインズは、財政政策をすることで、遊休資源を動かすべきだと考えました。
作りすぎは、良くあること
また、ケインズは、作りすぎるなんてことは、よくあることだと考えています。
- 工場を作りすぎる
- 商品を作りすぎる
これはよくあります。
作りすぎを心配しないで、ということです。
会社だって作りすぎることはあるから、政府が作りすぎた時だけ批判するのは、ちょっと、おかしいということです。
- 工場も作りすぎれば余る
- 設備投資も需要を満たせば止まる
むしろ民間投資の方が不安定です。
工場や設備(民間投資)は
- 小規模でも作れる
- すぐ需要が満たされる
- → 投資が急に止まりやすい
一方で:
- 道路・インフラ(公共投資)は
- 規模が大きい
- 長期的に必要
不安定さは、むしろ民間投資のほうが大きいのです。

