財政政策と財政支出の違いとは?イラストで分かりやすく解説

公民

財政とは、政府のお財布のことです。

政策とは、政府の計画のことです。

支出とは、お金を使うことです。

それでは、「財政政策」と「財政支出」は、何が違うのでしょうか?

見ていきます。

 

財政支出

財政支出は、お金を使うことです。

政府が買い物をすることを、財政支出と言います。

また、政府が使ったお金のことは、歳出と言います。

中学生や高校生なら、「財政支出」=「歳出」と考えても、問題ないと思います。

歳出では、ザックリと、下の図のようなお金の使い方をしています。

政府支出という言葉は、特に、下記の2つのものを指す時に使われます。

1つ目に、財政政策。

2つ目に、社会保障です。

政府支出と言われたら「財政政策」や「社会保障」を連想しておけば、間違いがないと思います。

財政政策

まず、財政政策についてみていきます。

財政政策とは、景気を良くするためにお金を使うことです。

特に、道路や水道や橋など、みんなが使うものを作ることを指すことが多いです。

「みんなが使うものを作ること」を「公共事業」と言います。

政府は、国民から集めた税金を使って、水道や道路などを作ります。

水道や道路を作ると、国民の生活が、より便利になります。

さらに、それだけではありません。

水道や道路を作ると、景気が良くなります。

公共事業は、景気を良くすることを目的に行います。

 

それでは、ここで、公共事業をすることで、景気が良くなる仕組みを紹介します。

 

公共事業とは、水道や道路を作ることです。

水道や道路を作る時には、それを作ってくれる会社が必要です。

道路や水道を作るために、働く人が必要になるのです。

そのため、政府が、道路や水道を作ってくれる会社にお金を払います。

つまり、水道を作る会社が儲かります。

お金を受け取った水道会社は、人を雇う余裕が生まれます。

人を雇って、労働者にお金を払います。

つまり、労働者がお金を受け取ります。

この労働者は、もともとは、失業者でした。

しかし、今回、水道を作るという大きなプロジェクトのおかげで、仕事を得たのです。

公共事業を行うと、失業者が労働者になります。

つまり、失業者が減ります。

失業者が減ると、景気が良くなるのです。

また、お金をもらった労働者は買い物をします。

お弁当などの食べ物を買います。

トイレットペーパーなどの日用品を買います。

家賃や携帯代などを払います。

すると、それぞれの会社が儲かります。

誰かが買い物をすると、その分、他の誰かが儲かるのです。

消費が増えると、他の会社も利益が増えます。

すると、お弁当屋さんの労働者の給料も増えます。

こうして、景気が良くなっていくのです。

財政政策のデメリット

財政政策とは、公共事業を増やしたり減らしたり、税金を増やしたり減らしたりすることを言います。

しかし、財政政策には、デメリットがあります。

それは、最近の日本では、効果が出なくなってきていることです。

戦後の日本では、道路やダムや水道など、何もかもがありませんでした。

そのため、何十年も前は公共事業が必要でした。

しかし、現在では、道路も水道もダムも橋もたくさんあります。

これ以上作る必要がないのです。

そのため、最近では、公共事業はどんどん減っています。

社会保障

次に、社会保障についてみていきます。

社会保障とは、働くことができない人を政府が助けることです。

社会保障とは、国民の生活を保障するものです。

「社会」とは、「人の集まり」という意味です。

「生活を保障する」とは、国民が生活できるようにすることです。

国は、人の集まりなので、「みんなで協力して、みんなが生活できるようにしよう」というのが、社会保障での考え方です。

社会保障では、子どもやお年寄り、病気の人、会社を辞めた人などに、お金を与えます。

働くことができない人を政府が助けるのが、社会保障です。

社会保障は、個人の最低限の生活を守るために行います。

最近では、社会保障に必要なお金がどんどん増えています。

なぜなら、助けが必要な人が増えているからです。

社会保障は、国民の生活のために、必要なお金です。

社会保障を減らすと、弱者が苦しむのです。

また、社会保障をたくさん増やす政治家は、国民から好かれる傾向があります。

国民は、お金をくれる政治家を支持しがちなのだそうです。

社会保障のデメリットについて

まず、年金や医療保険の仕組みについて説明します。

年金や医療保険は、本来であれば、掛け金です。

掛け金とは、あらかじめ、お金を預けておいて、必要になったタイミングで、預けておいたお金を受け取る仕組みのことです。

年金も医療保険も、国民から集めた「掛け金」を使います

元気なうちに政府に納めたお金が、年取った後で返ってくるのです。

しかし、最近は、高齢者の人数が増えています。

集められる掛け金よりも、支払わなければならない金額の方が多く、お金が足りていません。

だから、もっと税金が必要なのです。

まとめ

財政政策も社会保障も「政府がお金を出している」という点が同じです。

しかし、目的が違います。

財政政策は、景気を良くするために行います。

一方で、社会保障は、個人の最低限の生活を守るために行います。

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