物価が上がっているとき
・銀行にお金を預ける人が減る
・銀行からお金を借りる人が増える
これが、同時に起きるので、銀行の金利が上がります。
どういうことか、みていきます。
お金を預ける人が減る
物価がどんどん上がっているときは、早く買い物をしないとソンをします。
例えば、「いまパンを買えば100円だけど、1時間後に買えば150円です」という状況があったとします。
そしたら、値上がりする前に買った方がいいです。

値上がりする「前に」買い物をしてしまう方がおトクです。
物価が上昇すると、人々は「買い物をしなきゃ」という焦りを感じるようになります。
そのため、「これから値上がりする」と分かっている場合は、我先にと買い物をします。
このようにモノの値段が上がっている状況は「お金の価値が下がっている」とも言います。
「物価が上がる」=「お金の価値が下がる」です。
お金の価値がどんどん下がっている時、貯金しないで、買い物に使ってしまう方がいいです。
なぜなら、貯金をしたら、貯金の金額の価値が、数年後には下がってしまっているからです。

お金の価値が下がるということは、同じお金で買えるモノが減るということです。
そのため、「値上がり前に買った方がトク」と人々は感じます。
その結果、買い物をする人が増えます。
持ってるお金を、銀行に貯金するのではなく、買い物に使うのです。
また、既に銀行にお金を預金してた人は、お金を引き出して買い物をするようになります。

人々は、銀行に貯金をするのではなくて、買い物にお金を使うようになります。
すると、銀行のお金が減ります。
銀行のお金が減ると、銀行は困ります。
そのため、銀行により多くのお金を預けてもらうために、銀行の金利を高くします。

お金を借りる人が増える
商品の値段がどんどん高くなっている時は、人々は、少しでも安いうちに買い溜めをしようとします。
結果的に、モノがよく売れる状態になります。
企業にとってはビジネスチャンスです。

モノがよく売れるときは、企業にとっては、工場を大きくしたりして、より多くの商品を作れるようにした方がおトクです。
そのため、銀行からお金を借りて、工場を大きくしようとします。
工場を大きくすることを、「設備投資」と言います。

設備投資が増えるので、銀行からお金を借りる人が増えます。
お金を借りる人が増えれば、銀行は、強気になって金利を上げます。
なぜなら、金利が高くても、お金を借りてくれる人がいるからです。
そのため、銀行の金利は高くなるのです。

景気は循環する
このように、一時的に金利が上がることがあります。
しかし、やがては景気は落ち着きます。
金利が高くなりすぎると、お金を借りる人が減っていくからです。
そうして、景気にブレーキがかかって、ちょうどいいところに落ち着きます。