日本人にお節介が多い理由とは?文化的背景から解説

異文化理解

私は、マレーシアで生まれ、日本で育ちました。

また、4回留学(イギリス・フィリピン・アメリカ・バングラデシュ)したことがあります。

いろんな国の方にお世話になる中で、「お節介」が起こりやすい文化について感じたことがあるので、ここにまとめます。

また、この記事は、エリン・メイヤーが書いた『異文化理解力』を参考に書きます。

お節介の原因①ハイコンテキスト文化

日本は、世界で一番ハイコンテキスト文化だと言われています。

ハイコンテキストとは、メッセージを、ほめのかして伝える文化のことです。

この文化圏の人は、ハッキリと言葉を話しません。

なぜなら、表情を読み取る文化だからです。

ハイコンテキスト文化の人は、「人は優しい嘘をつく」ということが前提となっています。

例えば「手伝わなくて大丈夫です」と伝えると

「遠慮してるのかな?」と思われてしまうのです。

もう一つ例をあげると、ご飯を食べている時に、おかわりを断ってるのに、無理やり食べさせてくる人がいると思います。

「お腹がいっぱいだ」と言っているのに

「本当はお腹が空いてるのに、遠慮してお腹が空いてないフリをしてる」と伝わるのです。

本音を話しているのに「優しい嘘をついてる」と伝わってしまうのです。

このように、言葉がまっすぐ伝わないのが、ハイコンテキスト文化の特徴だと思います。

お節介の原因②関係ベース

日本は、関係ベースの文化だと言われています。

これは、相手の深い内面まで理解しようとする文化のことです。

プライベートな時間ですら、お互いを理解し合うために使います。

また、友達の友達は、友達になります。

粘着質な人間関係になりがちなのです。

『異文化理解力』という本には、ココナッツとピーチという喩え話がありました。

まず、アメリカ人は、ピーチタイプと呼ばれています。

フレンドリーだけど、中に種があって「それ以上は踏み込んで欲しくないスペース」があるのです。

アメリカ人は、実は、個人主義で、プライベートに踏み込まれることを嫌うのです。

「外は柔らかいのに、中に硬いものがある」ということです。

一方で、私が思うに、日本人は、ココナッツタイプだと思います。

ココナッツタイプとは、外面が硬いけど、仲良くなると、プライベートに踏み込んでくるタイプです。

日本人は、一度仲良くなれば、価値観の全てを共有しようとしてくる傾向があると思います。

深いところまで、理解し合おうとしてくるのです。

これは、ピーチタイプからすると「踏み込み過ぎだよ」と感じることがあるかもしれません。

お節介の原因③対立回避型

日本は対立回避型の国です。

対立回避型とは、調和を保つことが大切であると考える文化のことです。

価値観の食い違いを、ネガティブに捉えるのです。

そのため、この文化の人たちは、価値観の食い違いを防ごうとする傾向があります。

日本人には、「全てを理解してあげよう」としてる人を「優しい人」と解釈する傾向がある気がします。

これは、海外では、ちょっと変だと感じる人もいるかもしれません。

例えば、私にはオランダ出身の友達がいるのですが、彼女は、他人と意見が食い違っても、気にしません。

なぜなら、彼女にとっては「人によって意見が違うのは当たり前のこと」だからです。

変な人がいても「理解しよう」とすらしません。

ただ「放置」するだけなのです。

大人なら、不満がある時は、声を上げるなり、ストライキするなりして、意思表示をします。

だから、周りの人が先回りして、察してあげる必要なんて無いわけです。

しかし、日本人は、相手を理解し尽くすまで、相手に干渉し続ける人が多い気がします。

おそらく「相手を理解しなければならない」といった義務感があるのだと思います。

無関心でいることは、「相手を自由にさせる」ということです。

そもそも、AさんがBさんを、理解してあげても、理解してあげなくても、Bさんの人生は変わりません。

なのに、苦しみを与えてまで、相手を理解しようと悪戦苦闘する人さえいます。

「優しさ」という名の下に、過干渉をしているのです。

しかし、結果的に、そのお節介で、相手を不自由にさせてしまっている気がします。

これは外国人からすると「対立回避型らしい国民性だなぁー」という印象があると思います。

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