金融引き締めとは?売りオペとは?景気が過熱した時の公開市場操作をイラストで解説

公民

景気

景気とは、経済活動の活発さを指すことばです。

景気の状態は、よく「温度」に喩えられます。

「過熱している」「冷え込んでいる」などです。

景気は、過熱しすぎてもダメで、冷え込みすぎてもダメです。

ちょうどいい状態にする必要があります。

ちょっといい状態のことを「景気が良い」と呼びます。

景気が過熱

今回は、景気が過熱した場合について書いていきます。

景気が過熱した状態ことを「景気が良すぎる」と表現することもあります。

景気が過熱するというのは、国内にお金がありすぎる状態のことです。

景気が過熱するというのは、お客さんみんながお金を持っている状態です。

こんな時は、お店の商品は、高くしても売れるようになります。

お客さんがみんなお金を持っているなら、多少、商品の値段を値上げしても、お客さんは減らないのです。

こんな時、お店の人は、商品の値段を高くします。

その理由は、商品の値段を高くすると、お店が儲かるからです。

お店は、売り上げを増やすために、商品の値上げをします。

すると、お店の商品の値段はどんどん高くなっていきます。

商品の値段が値上がりするようになります。

コンビニAが値上げをします。

コンビニBが値上げをします。

コンビニCが値上げをします。

すると、お客さんの中には「コンビニDも値上げをするのではないか」と予想する人が出てきます。

「将来、もっと値上がりするかもしれない」という予想は、お客さんを焦らせます。

なぜなら、明日、値上がりするのなら、今のうちに買ってしまった方がお得だからです。

お店は、商品の値段を「急に」値上げします。

いつ値上げされるのか、お客さんには分かりません。

そのため「念の為、今のうちに買っておこうかな…」という気持ちになる人もいるのです。

お客さんは、商品を安いうちに買っておきたいです。

商品の値段が、どんどん値上がりしてる時期は、商品が売れやすくなるのです。

いろんなお店で値上げが続くと、お客さんは、

「買える時に、大量に買い込んでおこう」という気持ちになります。

焦って買い物をする人が増えるので、商品がどんどん売れるようになります。

さらに、こうなると、 お店側としては、どうでしょうか。

お店の人は、「商品がたくさん売れるなら、商品の値段高くしても、売れそう」と予想します。

お店側としては、商品は、できるだけ高い値段で売りたいです。

買ってくれる人がたくさんいるなら、もっと儲けを増やそうとして、値段を上げます。

商品が売れている時期は、お店は、商品の値段を高くします。

すると、お店の商品の値段はどんどん高くなっていきます。

こうなると、みんなパニックになります。

お店の商品の値段が値上がりすると、お客さんが慌てて買い物をします。

だから、商品がどんどん売れるようになります。

売れる商品は値上げされます。

つまり、さらに商品が値上げされます。

このスパイラルが続いて、パニック状態になってしまうのです。

このような状況のことを「景気が過熱する」と言います。

みんながお金を持っている時は、商品を高くしても売れます

景気が過熱すると、値段を高くしても売れるので、お店がもっと儲けを増やそうとして、値段を高くしてしまうのです。

インフレ

日本中の商品の値段が上がりすることを「インフレーション(インフレ)」と言います。

インフレとは、お店の商品の値段がどんどん高くなる現象です。

インフレの時に、貯金をすると損をします。

例えば、Aさんが貯金を100万円したとします。

100万円もあれば、いろんな買い物ができるはずです。

しかし、インフレが進んで、ある日、パンの値段が100万円になったとします。

すると、100万円の貯金で、パン一個しか買えないのです。

つまり、インフレが進んでいる時に貯金をすると、損をするのです。

お金の使い方は2つしかありません。

「貯金をする」か「買い物をする」かです。

貯金をしないなら、買い物するしかありません。

インフレの時は、人々は、買い物をするようになります。

解決策

景気が過熱してる時(インフレの時)は、国民がどんどん買い物をしてしまいます。

これを放っておいてしまうと、商品の値段がものすごく高くなります。

こんな時、どのようにして、解決したら良いのでしょうか?

それを考えるのは、日本銀行の役割です。

日本銀行は、国の景気が過熱した時は、解決策として、国内のお金の量を減らします。

そもそもお金があるから、買い物をするのです。

お金がなければ、人々は買い物をしません。

人々が買い物をできない状況にしてしまえばいいということです。

お金の量を減らす方法として行われるのが、売りオペです。

売りオペは、国のお金の量を減らす目的で行われます。

もし、銀行のお金が少なくなれば、個人は、銀行からお金を借りることが難しくなります。

個人は、お金が手に入りにくい状況になるのです。

もし、国のお金が減れば、人々がお金を持っていない状態になります

人々が買いものをしなくなります。

すると、お店の商品は、安くしないと売れなくなります。

お店の人は、商品の値段を安くします。

こうして、だんだん世の中の商品の値段が下がっていくと、物価が下がります。

お金の量を減らすと、物価が下がるのです。

それでは、どのようにして、売りオペをするのでしょうか?

売りオペのやり方について詳しく見ていきます。

売りオペ

売りオペは、日本銀行と、銀行の間で行われます。

日本銀行と、銀行は、それぞれ「国債」と「現金」を持っています。

国債とは、お金と交換できる紙です。

国内のお金を減らしたい時は、日本銀行は、銀行に国債を売ります。

国債を「売る」ので「売りオペレーション」と言います。

日本銀行が、銀行に国債を与えます。

銀行が日本銀行にお金を与えます。

銀行のお金が減ります。

銀行のお金が減ると、個人に貸せるお金の量も減ります。

だから、国内のお金の量を減らすことができるのです。

金融引き締め

売りオペは、金融引き締めと呼ばれることがあります。

金融引き締めとは、国内のお金の量を減らすことです。

引き締めるというのは、○○という意味です。

お金の量を「引き締める」という言い方をして「量を減らす」という意味になります。

国の景気が過熱している時(景気が良すぎる時)は、国のお金が多すぎる状況にあります。

そのため、金融引き締め(売りオペ)をします。

銀行からお金が無くなるようにします。

すると、人々は銀行からお金を借りることができなくなります。

こうして、景気を冷ますのです。

(過熱してるものを、ちょうどいい温度にすることを「冷ます」と言います)

公開市場操作

公開市場操作とは、日本銀行が国債を売ったり買ったりすることです。

日本銀行は、銀行との間で国債の売買をしています。

これを公開市場操作と言います

公開市場操作は、種類が2つあります

・金融緩和(買いオペ)

・金融引き締め(売りオペ)

売りオペと買いオペの2つを合わせて「公開市場操作」と言います。

公開市場操作の英語は「オープン・マーケット・オペレーション」です。

公共市場操作は、「オペ」と言われることもあります。

現在の日本

現在の日本は、銀行には、大量のお金があります。

しかし、個人にまでは行き渡っていません

銀行にお金が積み上がっているのが、日本の現状です。

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