公定歩合操作を漫画でわかりやすく

公民

公定歩合操作は、金融政策の1つです。

公定歩合操作とは何か、解説していきます。

景気を良くする方法

景気を良く方法は、2つしかありません。

金融政策と財政政策です。

金融政策は、日本銀行が行います。

財政政策は、政府が行います。

そして、金融政策には、「公定歩合操作」「預金準備率操作」「公開市場操作」の3つがあります。

今回は、「公定歩合操作」について、解説します。

公定歩合操作

まず、日本銀行と、銀行についてです。

銀行は、日本にたくさんありますが、日本銀行は、日本に一つしかありません。

日本銀行は、銀行にお金を貸しています。

銀行は、国民にお金を貸しています。

お金を貸す時は、利子が発生します。

お金を借りた側は、少しお金を増やして返さないといけないのです。

少し増える分のことを「利子」と言います。

利子の大きさは、時期によって上がったり下がったりします。

利子の大きさのことを「金利」といいます。

お金を借りた国民は、銀行に利子を払っています。

お金を借りた銀行は、日本銀行に利子を払っています。

また、日本銀行が銀行にお金を貸す時の利子のことを「公定歩合」といいます。

銀行が個人にお金を貸す時の利子のことは、そのまま「銀行の利子」と呼ばれます。

公定歩合が低い

公定歩合が低いと、お金を借りる側(銀行)は嬉しいです。

なぜなら、公定歩合が低い方がお金を借りやすいからです。

公定歩合が低いと、お金が借りやすい理由は、お金をあまり増やして返さなくて済むからです。

公定歩合は、お金を借りてから、返す時に「増える分」の大きさを表しています。

公的歩合が低いということは、お金を返す時にあまり増やす必要がないということです。

公定歩合が低いと、お金を返す時の金額が

少なくなります。

公定歩合が高い時に借りるのではなく、低い時に借りた方が、返す時の負担が少ないです。

そのため銀行にとっては「いま借りたら、お得だ」と感じるのです。

公定歩合が低くなると、日本銀行からお金を借りる銀行が増えます。

公定歩合が低くなったタイミングで、銀行は日本銀行からお金を借りるのです。

公定歩合が高い

公定歩合が高いと、お金を借りる側(銀行)は悲しいです。

一方で、公定歩合が高い時は、銀行は、日本銀行からお金を借りません。

公定歩合が高いということは、返すお金が多いということです。

つまり、銀行にとっては、負担が大きいです。

だから、公定歩合が高い時は、お金を借りたくありません。

利子が高い時に借りると、返す量が多いので、損なのです。

公定歩合が高い時は、銀行は、できるだけ日本銀行からお金を借りないようにします。

公定歩合が高くなると、お金を借りる銀行が減るのです。

公定歩合の目的

日本銀行は、目的があって、公定歩合を上げたり下げたりしています。

その目的とは何でしょうか?

その目的は、景気を良くするためです。

ちなみに、「上げたり下げたりすること」を「操作する」と言います。

「公定歩合操作」とは、公定歩合(日本銀行が銀行にお金を貸すときの利子)を、上げたり下げたりすることです。

公的歩合を下げれば、銀行が日本銀行からお金を借りるようになります。

一方で、公定歩合を上げれば、銀行が日本銀行からお金を借りなくなります。

つまり、銀行が持つお金の量が増えたり減ったりします。

公定歩合が上がったり下がったりすることで

銀行が持つお金の量が増えたり、減ったりします。

すると、景気がどうなるのか、それぞれ見ていきます。

銀行が持つお金の量が増えると

銀行が持つお金の量が増えると、銀行は、国民にお金をたくさん貸しやすくなります。

国民が銀行からたくさんのお金を借りることは良いことです。

国民が銀行からお金を借りるということは、国民の財布の中のお金が増えるということだからです。

国民が持つお金の量が増えたら、国民は、買い物します。

買い物をする人が増えたら、商品が売れます。

日本のお店が儲かります。

お店が儲かったら、そのお店で働いている人たちの給料も増えます。

世の中にお金が増えると景気が良くなるのです。

銀行が持つお金の量が減ると

次に、銀行が持つお金の量が減った場合を考えていきます。

銀行が日本銀行からお金を借りなくなると、銀行が持ってるお金の量が減ります。

すると、銀行は国民に貸すためのお金を用意できなくなります。

すると、国民は銀行からお金を借りなくなります。

銀行からお金を借りる国民が減ると、国民のお財布の中にお金がない状況になります。

すると、買い物をする人が減り、お店の商品は売れなくなります。

お店の商品が売れなくなったら、お店で働いてる人の給料も減ります。

このように、世の中の商品を売れないようにさせることもできるのです。

「世の中の商品を売れないようにさせること」を「景気にブレーキをかける」と言います。

なぜ、景気にブレーキをかける必要があるのでしょうか?

なぜなら、景気が良すぎるからです。

景気が良すぎる時は、ブレーキをかける必要があります。

なぜなら、景気が良すぎるとインフレになってしまうからです。

インフレとは、世の中にお金が溢れてしまっている状態のことです。

インフレになりすぎると、パンを一つ買うために、大量のお金を用意しなければならなくなります。

これは、面倒くさいです。

インフレになりそうな時は、景気にブレーキをかける必要があるのです。

世の中のお金が減ると、景気にブレーキがかかります。

このように、公定歩合を上げたり下げたりすることで、世の中に出回っているお金の量をコントロールすることができます。

そうすることで景気を良くしたり、ブレーキをかけたりできるのです。

さらに深掘り

ここからは、今まで説明したことを、別の言い方で説明します。

まず、公定歩合を操作すると、世の中のお金の量が増えたり減ったりします。

では、「世の中」とは、どこでしょうか?

ここに疑問を持たない人も多いのかもしれません。

しかし、私は、「世の中」とは何なのか、疑問を持ってしまいました。

調べたところ、私の考えでは、世の中とは、「お客さんや企業がいる場所」のようです。

「世の中」がどこかというと、上の絵の緑色のところのようです。

世の中とは、国民がいたりお店があったりする場所のことのようです。

お客さんや企業が持ってるお金が増えたら、「世の中のお金が増えた」ことになります。

世の中にお金が出回ると、景気が良くなります。

なぜなら、お客さんがお金を手に入れたら、買い物をするからです。

また、企業がお金を手に入れたら、新しいロボットを買ったりします。

国民(お客さんや企業)がお金を手に入れると、景気が良くなるのです。

世の中のお金が増えると、景気が良くなります。

そのため、金融政策では、世の中のお金の量を増やしたり、減らしたりするのです。

世の中にお金が出回るというのは、国民がお金をたくさん持ってる状態です。

そして、世の中のお金の量を調節することを金融政策といいます。

金融政策は、3種類あります。公定歩合操作と公開市場操作と預金準備率操作です。

日本銀行は、公定歩合を上げたり下げたりすることで、世の中のお金(国民が持ってるお金)の量を増やしたり、減らしたりすることです。

金融緩和

公定歩合を下げることを金融緩和と言います。

日本銀行が公定歩合を下げると何が起きるでしょうか?

公定歩合を操作するのは、日本銀行です。

公定歩合を下げると、銀行は、日本銀行からお金を借りやすくなります。

そのため、銀行は、たくさんお金を借りるようになります。

すると、銀行の手持ちのお金が増えます。

銀行は、お金がたくさんある時は、国民にたくさんお金を貸すことができます。

国民に貸すためのお金が、たくさんあるからです。

そのため、国民は、銀行からお金を借りるようになります。

こうして、個人が持ってるお金の量が増えます。

これが「世の中に出回るお金の量が増える」ということなのです。

金融引き締め

一方で、公定歩合を上げることを、金融引き締めと言います。

公定歩合を上げると、世の中に出回るお金の量が減ります。

公定歩合が高くなると、銀行はお金を借りづらくなります。

なぜなら、返す量が多いからです。

公定歩合が高い時にお金を借りると、たくさん返さないといけません。

公定歩合が高い時は、お金を借りたくないです。

こうして、銀行は、あまりお金を借りなくなります。

つまり、銀行の手持ちのお金は、少なくなります。

銀行の手持ちのお金が少ない時は、銀行は、あまり国民にお金を貸すことができません。

国民に貸すためのお金がないのです。

こうして、個人が持ってるお金の量が減ります。

つまり、世の中に出回るお金の量が減るということです。

公定歩合操作は、世の中に出回っているお金の量をコントロールすることです。

なぜそれをするのかというと、そうすることで景気を良くしたり、ブレーキをかけたりできるからです。

基準割引率および基準貸付利率

ここまで公定歩合の話をしてきました。

しかし、公定歩合は、すでに消えてしまっています。

公定歩合は、1994年の金利の自由化以前に使われていましたが

2006年以降は、「基準割引率および基準貸付利率」と呼ばれています。

そのため、現在では、公定歩合という言葉は使われていません。

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