フィリップス曲線とは?漫画で分かりやすく

ケインズ

フィリップス曲線

フィリップス曲線とは、失業率とインフレ率関係をあらしたものです

キーワードは、2つ

・失業(失業率)

・物価(インフレ率)

失業と、インフレは、両方とも問題です

しかし、両方を同時に解決することはできません

それを表しているのが、フィリップス曲線です

失業とインフレの意味

まず、「失業」と「インフレ」の言葉の意味を確認していきます

失業について

失業とは、仕事がないことです

失業者とは、仕事がない人のことです

失業率は、仕事がない人の量を表しています

失業率が高いと、働けている人が少ないです

そして、失業率が低いと、働けている人が多いです

失業率は低い方がいいです

失業率が低いということは、みんなが働いて給料をもらえているということだからです

失業率は、低い方がいいです

失業率が上がることのデメリットは、次のようなことがあります

失業の問題①国民が腹ペコになる

失業率が高いデメリットの1つ目は、国民が腹ペコになることです

失業者は、給料をもらうことができません

そのため、節約しないといけなくなるのです

失業の問題②消費の減退

失業率が高いデメリットの2つ目は、企業が儲からなくなることです

失業者は、給料がなくなるので

買い物をできるだけしないようになります

そうすると、モノが売れなくなります

企業が儲からなくなります

これが続くと、景気が悪くなってしまうのです

失業の問題③税金で助けなければならない

失業率が高いデメリットの3つ目は、政府のお財布を圧迫することです

政府は、税金を使って、失業者を助けます

失業者が増えれば増えるほど、失業者に与えるお金が増えます

そのため、政府のお財布を圧迫してしまうのです

物価について

次に、「物価」という言葉について確認します

物価とは、国内の全体のモノの値段のことです

モノの価格が上昇することをインフレーションといいます

逆に、モノの価格が下落することをデフレーションといいます

緩やかなインフレは、問題ありません

しかし、急激なインフレは、問題です

インフレ率は、低い方がいいです

インフレになりすぎることで起きる問題は、次のようなことがあります

インフレの問題①生活が苦しくなる

インフレの問題の1つ目は、国民の生活が苦しくなることです

インフレとは、モノの値段が上がることです

モノの値段が上がれば、みんなは買い物に必要なお金が増えます

今までと、同じ量を買おうとしても、今までよりたくさんのお金が必要なのです

もし、給料の金額も上がっていたら、インフレは問題ありません

しかし、収入が上がらなければ、生活は苦しくなるだけです

給料の額は変わらないのに、モノの値段だけが上がってしまうと、家計を圧迫してしまうのです

インフレの問題②買い物パニックになる

インフレの問題の2つ目は、パニック状態で買い物をすることになる可能性があることです

昔、トイレットペーパーを買い占めるというパニックが起きました

その時も、インフレが起きていました

買い物がパニックになってしまう原因は、急激なインフレです

例えば、今日は100円で買えるものが、明日は200円になることを知っていたら、今日買う方がお得です

「早く」買う方がお得なのです

だから、急激なインフレの時は

早く買おうと、お店にお客さんが押し寄せてしまいます

こうして、モノが高くても売れる時は、お店の人は、モノの値段を高くします

なぜなら、お店の人は、より多くの利益を得たいからです

こうして、モノの値段は、どんどん上がってしまうのです

         

インフレの問題③ 貯金の価値が下がる

インフレの問題の3つ目は、貯金の価値が下がることです

インフレになりすぎると、お金が紙くず同然になってしまうのです

インフレになるということは、お金の価値が下がるということです

例えば、あなたが貯金をしてきていたとしても

お金が紙くず同然になってしまったら

今までの貯金がムダになってしまいます

だから、インフレになりすぎてはいけないのです

失業とインフレの解決策

ここまで、失業とインフレが、両方とも問題であることを、確認しました

インフレ率も失業率も、それぞれ低い方がいいのです

次に、失業とインフレの解決策をそれぞれ見ていきます

失業率を下げる方法

失業率を下げる方法は、需要を増やすことです

需要とは、「欲しい」という欲求です

欲しいという人がいるから企業は、モノを作ります

つまり、「欲しい」という声が、ビジネスを盛り上げています

「欲しい」という声が増えれば、景気が良くなります

なので、需要が増えたら、景気が良くなるのです

そして、景気が良くなれば、失業率が下がります

どうやったら、人々の「欲しい」という気持ちが増えるのかというと

給料が上がると、増えます

給料が増えると、買い物したい気持ちになるのです

財政政策とは

需要が増えたら、失業者が減ります

需要を増やして、失業者を減らすことを、財政政策と言います

具体的には、特に公共事業を増やしたりします

公共事業をすると、失業者が減ります

そして、失業者が減ると、物価が上昇します

失業者が減ると物価が上がる理由は、失業者が、仕事を得て、給料をもらうと、買い物をするからです

買い物をする人が増えたら、モノが高くても売れるようになるので、モノの値段が上がるのです

物価が上がれば、企業はより儲かります

企業利潤を回復させれば、失業率が下がります

物価が上がると景気がよくなります

なので、物価は上がったほうがいいのです

物価が上がれば、企業の利益が増えて、労働者の給料が増えて、労働者が買い物をしたくなるので、景気が良くなるのです

ここまでが、失業者を減らす方法です

要するに、失業者を減らすには、物価が上がった方がいいのです

物価が下がると、どうなるか?

では、次に、物価を下げるとどうなるのかを見ていきます

物価が下がると、失業者が増えて、不況になります

不況の時は、物価が下がって、失業者が増えます

なぜなら、物価が下がると、企業が儲からなくなるからです

その結果、労働者を雇用しようとする意欲が減ります

だから、失業者が現れてしまいます

一方で、景気が良い時は、逆です

物価が上がって、企業が儲かっている時は

労働者をもっと雇いたくなるので、失業者が減ります

景気が良い時は、インフレになります

この記事の冒頭では「インフレは、問題だ」と書きましたが

インフレには、良いインフレと悪いインフレがあるのです

給料と物価が一緒に増えるのは、良いインフレです

モノの値段が上がっても、給料も上がれば、問題ありません

 

しかし、物価だけ上昇してしまうのは、悪いインフレです

給料が増えないのに、モノの値段が高くなったら、国民は貧乏になってしまいます

そのため、物価と給料は、両方が上昇する方がいいのです

緩やかなインフレは、景気を良くします

しかし、給料が上昇しないインフレは、問題なのです

同時に解決できない

失業率も、インフレ率も低い方がいいです

しかし、両方を同時に、低いままにさせるはできません

それを説明するのがフィリップス曲線です

フィリップス曲線を発表したのは、フィリップスです

フィリップスは、失業率とインフレ率の両方を抑えることは、できないことを発見しました

つまり、失業率を下げるとインフレになり、インフレ率を抑えると失業率が上がるという関係があるのです

フィリップス曲線が表していることは2つです

①失業率を下げると、物価が高くなる

②物価を下げたままにしようとすると、失業率が上がる

インフレを抑えながら、失業率も抑えることはできません

2つを同時に解決することはできないのです

そのため、対策をするとしても、インフレ対策だけをするか、失業対策だけをするかの二者一択になります

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