ケインズは、『雇用・利子および貨幣の一般理論』の中で、期待が生産量と雇用を決めると述べています。
これは、どういう意味でしょうか?
見ていきます。
期待が生産量を決める
パン屋さんがパンを作るときは、どれぐらいパンが売れるかを想像します。
未来を想像することを「期待」と言います。

パンがたくさん売れるだろうと考えれば、パンをたくさん作ります。
パンがあまり売れなくて、きっと売れ残るだろうと想像すれば
「じゃあ、あらかじめ作る量を減らしておこう」
と考えます。
このように期待は生産量を決めます。

期待が雇用を決める
また、期待は雇用を決めます。
パンがたくさん売れると想像すれば、きっと忙しくなるだろうと考えるので、人をたくさん雇います。
一方で、お客さんがあんまり来ないのであれば、働く人がいっぱいいても暇になってしまいます。
そのため、お客さんがあまり来ないだろうなぁと想像してる時は、従業員の数を減らします。
このように期待が生産量と雇用を決めます。

ケインズの考え
ケインズは、失業者を減らそうと頑張った人です。
失業してる人を減らすには、将来は景気が良くなろうだろうと言う楽観的な期待が必要だと考えていました。
一方で、不安が広がると、人々は景気が悪くなる未来を想像するので、失業者が増える
と言うことを主張しました。